日本語の「蛇口」は、家庭でも学校でもよく使う言葉ですが、英語では少し言い方が分かれます。いちばん基本的なのは「faucet(フォーセット)」と「tap(タップ)」の2つ。どちらも「蛇口」を意味しますが、使われる地域によって違いがあります。
アメリカでは「faucet」が一般的で、「kitchen faucet(キッチンの蛇口)」や「turn off the faucet(水を止める)」のように使われます。一方、イギリスやオーストラリアなどでは「tap」のほうが普通で、「turn on the tap(水を出す)」という表現になります。つまり、どちらも正解ですが、地域によって聞こえ方が違うわけです。
また、蛇口から出るものを指すときは「water tap(給水栓)」や「beer tap(ビールサーバーの注ぎ口)」のように、目的によって言葉を組み合わせて使います。お店で「on tap」と書かれていたら、「樽生ビールがあります」という意味です。
面白いのは、「tap」という単語が「軽くたたく」という意味も持っていることです。スマートフォンの画面を「タップする」という日本語も、ここから来ています。もともと「tap」は、手や指で軽く触れる動作を表す言葉でしたが、「蛇口」をひねる動きと少し似ているのかもしれません。
こうして見ると、「蛇口」という身近な物にも、英語では歴史や地域の違いが表れています。旅行先で「Where’s the faucet?」と言うか「Where’s the tap?」と言うかで、少しだけ現地っぽさが変わるかもしれませんね。
