日本語の「過保護」は、「子どもを甘やかしすぎる」「心配しすぎて自由を与えない」といった意味で使われます。英語ではこれに近い言葉として「overprotective(オーバープロテクティブ)」があります。文字通り「protect(守る)」に「over(過度に)」がついたもので、「守りすぎる」「干渉しすぎる」という意味です。
たとえば、「彼女の母親はとても過保護だ」と言いたいときは「Her mother is very overprotective.」となります。子どもの外出に細かく口を出したり、何でも先回りしてしまうような親のことを表すときによく使われます。
もう少し柔らかい言い方をしたいときは、「too caring(世話を焼きすぎる)」や「too involved(関わりすぎる)」という表現もあります。これらは「悪いこと」と断定せず、心配する気持ちが強すぎるというニュアンスを伝えることができます。
一方で、「過保護に育てられた」は「be raised in an overprotective environment(過保護な環境で育つ)」や「be brought up by overprotective parents(過保護な親に育てられる)」と表現できます。英語でも「過保護」は社会的な話題になることが多く、「overprotective parenting(過保護な子育て)」という言葉も一般的です。
興味深いのは、英語圏でも「子どもの自立を妨げるほど守ること」は問題視される一方で、「helicopter parent(ヘリコプターペアレント)」という表現も生まれていることです。これは、常に子どもの周りを飛び回るように監視し、手を出しすぎる親を比喩的に表した言葉です。
つまり、「過保護」は英語では「overprotective」が最も基本的な訳ですが、その背景には「愛情と自立のバランス」という普遍的なテーマがあります。どの言語でも、守りたい気持ちと成長を見守る気持ちの間で、人は迷うのかもしれませんね。
