日本語の「面倒」という言葉は、とても便利ですが幅が広い言葉です。「やるのが大変」「世話が必要」「気が進まない」など、状況によってニュアンスが変わります。英語では一語で完全に置き換えるのは難しく、文脈に応じていくつかの表現を使い分けます。
まず、「手間がかかって面倒」という意味なら「troublesome」や「a hassle」がよく使われます。「Filling out these forms is troublesome(この書類を書くのは面倒だ)」や「It’s such a hassle to go there(そこへ行くのは本当に面倒だ)」のように使います。「hassle」は少しくだけた口調で、日常会話でよく登場します。
「世話が面倒」というときは「high-maintenance」という表現もあります。人に対して使うと「手がかかる人」「わがままな人」というニュアンスになります。「She’s nice, but a bit high-maintenance(彼女はいい人だけど、少し手がかかる)」のような言い方です。
「やる気がしない」「気が進まない」という心理的な面倒くささには、「can’t be bothered」という表現がぴったりです。「I can’t be bothered to cook tonight(今夜は料理する気がしない)」というように、少し疲れた気分ややる気のなさをやわらかく伝えられます。「bother」は「悩ませる」という意味の動詞です。
また、「面倒をみる」という意味での「面倒」は「take care of」が一般的です。「I’ll take care of it(それは私が面倒をみるよ)」というように、優しさや責任感を含んだ言葉になります。
このように、「面倒」は英語では状況によって「troublesome」「a hassle」「high-maintenance」「can’t be bothered」「take care of」などに分かれます。日本語の「面倒」という言葉は、その曖昧さゆえに便利ですが、英語では感情や行動の方向性をはっきりさせて伝える必要があります。
