日本語の「義務」は、やらなければならないこと、または社会的・道徳的な責任を指します。英語では状況に応じて「duty」「obligation」「responsibility」などの言葉が使われます。それぞれ少しずつ意味やニュアンスが違うのが特徴です。
まず、「duty」は最も基本的な「義務」を表す言葉です。仕事や立場から生じる「果たすべき役目」という意味で、「It’s my duty to help(助けるのが私の義務です)」のように使います。また、「duty-free shop(免税店)」の「duty」は「関税」という意味で、もともと「課せられた責任・負担」という感覚を持つ言葉です。
次に「obligation」は、より形式的で強い義務を表します。法律や契約、約束によって生じる「しなければならないこと」というニュアンスです。「You have a legal obligation to pay taxes(税金を払う法的義務がある)」のように使われます。社会的・法的な重みを持つ言葉です。
一方で、「responsibility」は、義務というより「責任」という意味に近い言葉です。「It’s your responsibility to clean up(片づけるのはあなたの責任です)」のように、道徳的・個人的な義務感を含みます。必ずしも外から課されるものではなく、自分の意志で果たす責任という印象があります。
つまり、「duty」は職務的な義務、「obligation」は法的・形式的な義務、「responsibility」は道徳的・個人的な責任に近い義務、と使い分けることができます。
