日本語の「表情」は、顔にあらわれる感情の動きや、そこから伝わる雰囲気を指します。英語では主に「expression(エクスプレッション)」という言葉で表されますが、使い方にはいくつかのパターンがあります。
もっとも一般的なのは「facial expression(顔の表情)」です。「She has a calm facial expression(彼女は落ち着いた表情をしている)」や「His facial expression changed suddenly(彼の表情が急に変わった)」のように、顔の動きや感情のあらわれを客観的に描写するときに使います。
また、「expression」単体でも「表情」や「感情の表現」という意味になります。「Her expression was hard to read(彼女の表情は読み取りにくかった)」というように、感情を読み取る場面でもよく使われます。
一方で、口元や目もとなど部分的な表情を言いたいときは、「smile(微笑み)」「frown(しかめ面)」「glance(視線)」「grin(にやりと笑う)」など、より具体的な動作の単語を使うほうが自然です。「He gave me a faint smile(彼は私にかすかに笑いかけた)」のように、英語では表情を動きとして描写する傾向があります。
また、「表情が豊かだ」は「expressive」や「have a lot of expressions」で表現できます。「She is very expressive(彼女は表情が豊かだ)」という言い方はよく使われます。逆に「表情が乏しい」は「blank-faced」や「expressionless」と言います。
興味深いのは、英語では「表情」を「表すもの」としてより動的に捉えていることです。日本語の「表情」が静かな「顔つき」を指すことも多いのに対し、英語の「expression」には「感情を外に出す」という意味合いが強くあります。
