アメリカの幼稚園~高校で最も学習されている外国語

自由の女神外国語

前回は「アメリカの大学で最も学習されている外国語」についてまとめましたが、今回は「アメリカの幼稚園から高校で最も学習されている外国語」をご紹介します。

今回参考にするのは、全米外国語教育協会(ACTFL)が公表した「K-12の外国語授業の登録者数」です。K-12とは、幼稚園から高校卒業までの13年間のことを指し、初等中等教育をまとめて略称したい場合に用いられます。州ごとに異なりますが、基本的に無償で教育を受けられる期間です。ACTFLは、アメリカの言語教育の改善を目的とする組織で、1967年に米国現代言語協会(MLA)から分派して結成されました。

以下の表は、ACTFLによる「K-12学生の外国語登録者数(2007~2008年)」です。

言語登録人数割合
1スペイン語6,418,33172.06%
2フランス語1,254,24314.08%
3ドイツ語395,0194.43%
4ラテン語205,1582.30%
5日本語72,8450.82%
6イタリア語65,0580.73%
7中国語59,8600.67%
8アメリカ手話41,5790.46%
9ロシア語12,3890.14%
その他255,8252.87%
全体8,907,201100%

出典:“Foreign Language Enrollments in K–12 Public Schools” ACTFL (PDF)

※調査対象期間は2007~2008年、登録者の総数は890万7201人です。前回紹介した大学の履修者数の調査は2016年でしたが、K-12の調査はそこまで新しくありません。調査しなければいけない学生の数が、高等教育の約140万人と比べ、初等中等教育では6倍の約890万人なので、調査が大変なことも一因かもしれません。

トップ5までの結果を見てみると、1位はスペイン語、2位はフランス語、3位はドイツ語、4位はラテン語、5位は日本語でした。

アメリカの初等中等教育で最も学ばれている外国語はスペイン語です。登録者数は641万8331人で、全体の72.06%でした。K-12の半数以上がスペイン語を選ぶという驚きの結果になりました。2位のフランス語が125万4243人で、全体の14.08%だったので、圧倒的な差です。大学でもスペイン語科目が50年間連続で1位でしたが、アメリカではそれだけスペイン語が身近で人気ということですね。大学のスペイン語履修率は50%なので、K-12の方が高い履修率です。

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その他の順位は、大学とほぼ同じような結果になりました。アメリカの大学では、1位がスペイン語、2位がフランス語、3位がアメリカ手話、4位がドイツ語、5位が日本語です。大学の結果と異なるのは、K-12にはラテン語がランクインしていたことです。4位で、全体の2.3%でした。英単語の50%以上はラテン語かフランス語に由来しています。フランス語はラテン語から派生した子言語です。そのため、初等中等教育でラテン語を学ぶことは、英語のより良い理解や、表現力の豊かさに繋がるはずです。ラテン語由来の単語は学術名など、難しい文献でもよく出てきます。

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今回は「アメリカの初等中等教育で最も学習されている外国語」を紹介しました。

  • アメリカの初等中等教育で最も学習されている外国語はスペイン語
  • 初等中等教育の外国語授業は72%の生徒がスペイン語を選択する
  • 初等中等教育では高等教育と異なり、ラテン語の登録者数が多い

アメリカでスペイン語話者が多いのは、初等教育からスペイン語が選択されているという事情もあったようですね。

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