日本語の「余韻」は、とても繊細な言葉ですよね。音が消えたあとに残る響き、出来事が終わったあとに心に残る感情。そんな「あとに残る感じ」を表します。英語では一語で完全に同じ意味を持つ単語はありませんが、いくつかの表現を組み合わせて伝えることができます。
まず、音や声の「余韻」を表すときに使えるのが「echo」や「resonance」です。「echo」は文字通りの「こだま」や「反響」を意味しますが、「Her words still echo in my mind(彼女の言葉はいまも心に響いている)」のように、心に残る印象を表す比喩としても使われます。「resonance」は少し文学的で、「The song has a deep emotional resonance(その歌は深い感情の余韻を持っている)」というように、感情や記憶の中に響くニュアンスがあります。
感情の「余韻」を伝えたいときには、「afterglow」や「lingering feeling」といった表現もあります。「afterglow」は直訳すると「残照」。夕焼けのあとに残る光のように、出来事のあとの温かい感覚を表します。「I’m still in the afterglow of the concert(まだコンサートの余韻に浸っている)」という言い方も一般的です。
また、「linger」という動詞も便利です。「The memory lingers in my heart(その記憶は心に残っている)」のように、なかなか消えない思いをやわらかく表現できます。
英語では「余韻」という一言がないぶん、「echo」「afterglow」「resonance」「linger」といった単語を状況に合わせて選ぶんですね。
