「嵐」は英語で「storm」と言います。雷を伴うものは「thunderstorm(雷を伴う嵐)」、雪なら「snowstorm(吹雪)」、砂なら「sandstorm(砂嵐)」のように、自然現象に応じて前に言葉をつけて使います。とても基本的な単語ですが、英語では気象以外にも幅広い意味で使われています。
まず、天気としての「storm」は勢いの強さを感じさせる言葉です。「a storm is coming(嵐が来る)」というだけで、空気の張りつめた雰囲気が伝わります。海では「a storm at sea(海の嵐)」、空では「a violent storm(激しい嵐)」のように表現します。
ですが「storm」は自然現象を超えて、感情や出来事を表す比喩としてもよく使われます。「a storm of anger(怒りの嵐)」や「a storm of applause(拍手の嵐)」など、人の感情が激しく高ぶる様子を伝えるのも自然です。また「weather the storm」という表現は、「困難を乗り越える」という意味。直訳すると「嵐を耐え抜く」で、人生の荒波をしのぐイメージがあります。
もう少しドラマチックな言い方として、「storm into a room(勢いよく部屋に飛び込む)」や「storm out(怒って出ていく)」など、動詞として使うこともあります。嵐のように感情が爆発して行動するイメージです。
つまり「storm」は自然の力だけでなく、人間の心や社会の動きまで表せる言葉です。日本語の「嵐」にも「心の嵐」「時代の嵐」といった比喩がありますが、英語でも同じように「storm」は感情や変化の象徴として生きているんですね。
