日本語の「樹海」という言葉には、ただの森という以上の響きがあります。深くて静かで、どこまでも続くような森林。そんな独特の雰囲気を英語で表すのは少し難しいのですが、いくつか近い表現があります。
最も一般的なのは「sea of trees」です。直訳すれば「木々の海」で、「樹海」という言葉の由来そのものに近い表現です。実際に、富士山のふもとにある「青木ヶ原樹海」は英語で「Aokigahara, the Sea of Trees」と紹介されることもあります。この表現には、森が果てしなく広がっている様子や、木々が波のようにうねるイメージが込められています。
もっと一般的に「深い森」という意味で言いたいなら、「dense forest」や「thick woodland」という言葉も使えます。「dense」は「密集した」という意味で、「dense forest」は「木々が密集した森」、つまり「樹海」のように中に入りにくい森を指します。
文学的に表現するなら、「endless forest(果てしない森)」や「vast woodland(広大な森林)」といった言い方もあります。英語では「forest」が基本的に「森」を指す言葉ですが、「woodland」は「森林地帯」という意味で、少しやわらかく、自然の豊かさを感じさせる響きがあります。
興味深いのは、「sea of trees」という表現が、英語話者にも詩的に聞こえるという点です。海のように広がる森、という比喩は、自然の神秘や人間の小ささを感じさせるものとして、文学や映像でもよく使われます。
つまり、「樹海」を英語にするときは、単に「forest」ではなく、その場の雰囲気や伝えたい印象に合わせて「sea of trees」「dense forest」などを選ぶと自然です。日本語の「樹海」には静けさや神秘性があるように、英語でも少し詩的に訳してあげると、その美しさが伝わりやすくなりますね。
