水はもっとも身近で大切なもののひとつ。そのためか、英語にも水を使った表現がたくさんあります。
よく知られているのが「like a fish out of water(魚が水から出たように)」。これは「場違いで落ち着かない」「居心地が悪い」という意味です。魚にとって水は生きる場そのもの。それを失った不自然さが、そのまま人間の状況にたとえられています。
また、「still waters run deep」ということわざもあります。直訳は「静かな水は深く流れる」。これは「静かで控えめな人ほど内面は深い」という意味です。水の性質を人の性格に重ねているのが面白いですね。
「to be in hot water」という表現もあります。直訳すれば「熱いお湯の中にいる」ですが、意味は「困った状況にある」「トラブルに巻き込まれている」。熱湯に入ってしまったときの居心地の悪さからイメージされています。
さらに「water under the bridge(橋の下を流れる水)」は「過ぎたこと」「水に流すこと」を表します。川の水が一度流れてしまえば戻らないように、過去の出来事をくよくよしない姿勢を表しています。
水は命を支える存在でありながら、英語の表現では「安心」「困難」「過去」など多彩な意味を担っています。次にコップの水を飲むとき、こうした言葉を思い出せば、透明な一口が少し奥深く感じられるかもしれませんね。