メールアドレスやSNSで毎日目にする「記号」。英語では「symbol」や「sign」、句読点などの記号は「punctuation mark」と呼ばれます。私たちが当たり前のように使っている記号の呼び名や由来を紐解くと、活版印刷の歴史や意外な言葉の成り立ちが見えてきます。
まず、SNSでおなじみの「#」ですが、これを「シャープ」と呼ぶのは間違いです。音楽記号のシャープ(♯)は横線が右上がりですが、この記号は横線が水平です。英語では「hash(ハッシュ)」や「number sign」と呼ぶのが一般的です。さらにアメリカでは、電話機のボタンや重さの単位として「pound sign(ポンド)」とも呼ばれます。ちなみに、正式名称は「octothorpe(オクトソープ)」という少し不思議な響きの名前を持っています。
メールアドレスに欠かせない「@」も、興味深い背景を持っています。日本語では「アットマーク」と呼びますが、これは和製英語です。英語ではシンプルに「at sign」や「at symbol」と呼びます。もともとは会計の世界で「~単価で」という意味の「at」を表すために使われていた事務的な記号でしたが、1971年に電子メールの考案者が「ユーザー名と所在地の区切り」として採用したことで、世界中に広まりました。
「&」という記号も、実はアルファベットの歴史の一部です。この記号の名称「ampersand(アンパサンド)」は、「& per se and」というフレーズが変化したものです。かつて子供たちがアルファベットを唱える際、最後に「&自体が『and』を意味する(& per se and)」と付け加えていたのが、一つの単語のように聞こえるようになったと言われています。形自体も、ラテン語で「~と」を意味する「et」の2文字を組み合わせてデザインされたものです。
また、文章で補足を表す丸括弧( )は、英語では「parentheses(パレンセシーズ)」と呼ばれます。一方、数学などで使う角括弧[ ]は「brackets」です。形状によって厳密に名前が異なります。特に「/(スラッシュ)」と「(バックスラッシュ)」の使い分けなど、デジタルの世界では名称の正確さが求められる場面も多いです。
このように、身近な記号一つひとつに、古いラテン語の名残や印刷技術の進歩、そして現代のテクノロジーとの融合といった物語が詰まっています。キーボードに並ぶ記号たちの「英語での本名」を知ることで、デジタルコミュニケーションが少し違った景色に見えてくるかもしれません。
