ニュース、雑誌、ブログなど、私たちが日常的に目にする「記事」。英語では「article」と表現するのが最も一般的ですが、メディアの種類やその役割によって、呼び方やニュアンスが細かく使い分けられています。
「article」という言葉の語源を遡ると、ラテン語で「関節」や「つなぎ目」を意味する「articulus」に辿り着きます。これがなぜ「記事」になったのかというと、雑誌や新聞という大きな全体の中の「一つの節(パーツ)」というニュアンスから派生したためです。同じ「article」という単語が、英文法で「a」「an」「the」を指す「冠詞」として使われるのも、これらが言葉と言葉をつなぐ「関節」のような役割を果たしているから、という共通の由来があります。
ジャーナリズムの世界では、記者が自分の書いた原稿を「article」ではなく「story」と呼ぶことが多々あります。これは単なる「物語」という意味ではなく、「事実に基づいた報告」というニュアンスが含まれています。「What’s the story?」という言葉は、記者の間で「どんなネタ(記事)があるか?」という確認の際によく使われる業界用語のようなものです。
また、広告やマーケティングの分野では、記事のことを「copy(コピー)」と呼びます。日本語でも「キャッチコピー」と言いますが、英語の「copy」は複製品という意味だけでなく、印刷に回すための「原稿」そのものを指します。さらに、新聞や雑誌の特定の場所に定期的に掲載される記事は「column(カラム)」と呼ばれますが、これはもともと建築用語の「円柱」を意味しており、紙面の縦の列(段列)を埋める文章であることからこの名がつきました。
記事にまつわる有名な慣用句に「Stop the press!」があります。「印刷機を止めろ!」という直訳通り、かつて新聞が印刷されている最中に、それを上回る大事件や世紀のスクープが飛び込んできた際に叫ばれた言葉です。現代ではそこから転じて、日常会話で「驚くべきニュースがある」「ちょっと聞いてくれ!」といった、注目を集めるための比喩表現として使われています。
文法的な特徴としては、インターネット上の記事などは「on an article」ではなく「in an article」と表現されるのが一般的です。これは、記事という一つの枠組みの中に情報が収まっているという感覚があるためです。
このように、英語における「記事」という言葉は、その成り立ちから使われる現場の雰囲気まで、情報の扱い方やメディアの歴史を色濃く反映しています。私たちが普段何気なく読んでいる「記事」も、その背景を知ることで、情報がどのように「つなぎ合わされ(article)」、伝えられてきたのかを感じ取ることができるのではないでしょうか。
