英語の学習で必ず耳にする「述語」。英語では「predicate」と呼ばれますが、単なる文法用語以上の深い意味と、日本語とは異なるユニークなルールを持っています。
文の構造を「主語(何が)」と「述語(どうする、どんなだ)」に分ける考え方は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスの論理学にまで遡ります。英語の「predicate」という言葉の語源は、ラテン語の「praedicare(あらかじめ宣言する)」です。つまり、主語という「テーマ」に対して、その正体や動作を「宣言する」役割を担っているのが述語です。
日本語と英語の「述語」には、決定的な違いがあります。日本語では「空が青い」のように形容詞だけで述語になれますが、英語の述語には必ず「動詞」が含まれなければなりません。英語で「The sky is blue.」と言うとき、述語(predicate)は「is blue」全体を指し、その中心には必ず「is」という動詞が存在します。英語において動詞は、文に命を吹き込む「心臓」のような存在です。
英語の述語は、その範囲によって呼び方が変わることがあります。動詞単体を指す場合は「simple predicate(単純述語)」、動詞に続く目的語や補語を含めたひとかたまりを「complete predicate(完全述語)」と呼びます。例えば、「She runs fast.」という文では、「runs」が単純述語で、「runs fast」が完全述語です。この「どこまでが述語か」という意識を持つと、長い英文を読み解く力が飛躍的に向上します。
また、「predicate」という単語は、文法用語としてだけでなく、動詞として日常会話やビジネスシーンでも使われることがあります。「be predicated on ~」という形で、「〜に基づいている」「〜を前提としている」という意味になります。文法における述語が文の土台を支えるように、何かの主張や計画の「根拠」を指す言葉として発展しました。
さらに、文法の世界には「predicate adjective(叙述形容詞)」という言葉もあります。これは「The cat is cute.」のように、主語の状態を説明する形容詞のことです。一方で「A cute cat」のように名詞を直接修飾する場合は「限定用法」と呼ばれます。同じ「可愛い」でも、文の中での役割によって「述語」の一部になるかどうかが決まるのは、英語の論理的な面白さと言えるでしょう。
このように、英語の「述語」は、単なる文のパーツではなく、言葉を論理的に組み立てるための「宣言」の道具です。語源や日本語とのルールの違いを知ることで、一見複雑な英文も、主語が何を「宣言」しようとしているのかという視点でシンプルに捉えられるようになるはずです。
