文章に感情や勢いを加える「感嘆符(!)」ですが、英語では地域によって呼び名が変わります。イギリス英語では「exclamation mark」、アメリカ英語では「exclamation point」と呼ぶのが一般的です。
この記号のルーツは、古代のラテン語にまで遡ります。当時、喜びを表す間投詞として「io(イオ)」という言葉がありました。筆記の際に、この「I」を「o」の上に重ねて書いていたものが、長い年月を経て簡略化され、現在の「!」という形になったと言われています。つまり、この記号そのものが「喜びの叫び」を形にしたものなのです。
また、少し変わった呼び方として、コンピュータ業界や印刷業界では「bang(バン!)」という俗語が使われます。これは銃声や何かを叩く音を表す擬音語ですが、記号の持つ視覚的なインパクトや、発音の短さから定着しました。プログラミングのコードを読み上げる際や、パスワードを口頭で伝える際に「bang」と言われたら、この「!」を指しています。
文章作法における扱いは、日本よりも少しシビアかもしれません。『華麗なるギャツビー』で知られる作家F・スコット・フィッツジェラルドは、「感嘆符を使うことは、自分のジョークで自分で笑うようなものだ」という言葉を残しました。英語圏の文章読本(Style Guide)でも、安易な多用は幼稚に見えるとして、ここぞという場面でのみ使うことが推奨されています。
さらに雑学として、驚きと疑問を同時に表す「⁈」を一つに融合させた「interrobang(インテロバング、‽)」という記号も存在します。「Interrogation(疑問)」と「Bang(感嘆)」を組み合わせた名称で、1960年代に広告業界で考案されました。標準キーボードには定着しませんでしたが、感情を効率的に伝えたいという人間らしい欲求が生んだユニークな記号です。
このように、普段何気なく使っている「!」にも、ラテン語の歴史から作家の美学、業界用語としての顔まで、多様なストーリーが詰まっています。次に使うときは、その「重み」を少しだけ意識してみると面白いかもしれません。
