外国語の学習は、普段使い慣れている母国語とは異なる、文法、語彙、発音などを学ぶため、集中力が続かない時があります。このような時には、適切な対処法を取ることが大切です。そこで今回は、「言語学習が上手くいかない時におすすめの方法」についてご紹介します。参考程度にお読み頂ければ幸いです。
勉強する環境を整える
1つ目の方法は、勉強する環境を整えることです。
日常生活には、スマホ、パソコン、テレビ、ゲームなど、勉強の妨げになるものがたくさん溢れています。このような邪魔なものを取り除くことで、集中力を高めることができます。
スマホをいじらない
最も気をつけたいのは、スマホをいじらないことです。集中できないので何となくスマホをいじっていたら、いつのまにか時間がかなり過ぎていた、なんてことありますよね。集中の妨げになるスマホは、なるべく視界に入らない場所に置くか、マナーモードにしておきたいですね。
自制心が高く、うまくコントロールできる人はそこまでする必要はないかもしれません。
机を整理整頓する
机の上を整理整頓するのも効果的です。集中力の妨げになりそうなものは片付け、勉強以外の物は置かないようにします。一度失われてしまったやる気を取り戻すには、時間とエネルギーを浪費します。やる気を取り戻すのに失敗して、遊んでしまったこともあったはずです。そのため、邪魔なものは視界から排除するのが肝心です。
日本語が耳に入らないようにする
外国語を勉強しているので、日本語が耳に入らない環境を作るのも効果的です。テレビや動画がつけているのなら、なるべく消した方が良いと思います。外国語の動画なら良いかもしれませんが、メインの勉強の妨げになってしまったら元も子もありません。人によりますが、音楽を流すのは効果的です。音楽には次のような効果があるとされています。
- リラックスできる
- 集中力が高まる
- ドーパミンが分泌される
- 雑音が気にならなくなる
もちろん個人差はありますし、人によっては集中力が低下することもあります。色々試してみて、自分に合った方法を見つけてみてください。
場所を変える
家では家族がいたり騒がしくて、環境が整えるのが難しいのなら、場所を変えるのも1つの方法です。場所を変えるのにはもう1つメリットがあり、図書館や喫茶店など、他の人の視線があった方が集中力できることがあるからです。誰かに見られることで集中力が上がる現象を、心理学では「ホーソーン効果」と呼んでいます。また、カフェなどお金がかかる場所で行うと、やらなければいけないという気持ちも高まります。
どの方法も、効果は人それぞれですので、色々と試してみてください。
目標を明確にする
2つ目の方法は、目標を明確にすることです。
自分はなぜ言語を学ぶ必要があるのか、何のために言語を学ぶのかを明確にすることで、モチベーションを高めることができます。
目標は地図のようなもの
目標を立てずに勉強していても、地図もなく歩いているようなものです。学習する理由や目標が曖昧なままだと、なんで勉強しているのか分からず、道に迷ってしまいます。目標をしっかりと決めているのなら、モチベーションを維持しやすくなります。
- 映画や動画を字幕なしで見たい
- 音楽をネイティブのように聞きたい
- 自信をつけたい
- 単純にかっこいい
- 話したい人がいる
- 就職に有利
語学を学ぶには色々な理由があると思います。
目標を決める時に重要なのが「SMARTゴール」です。SMARTゴールとは、次の英単語の頭文字からとった言葉です。
- Specific 具体的
- Measurable 測定可能
- Achievable 達成可能
- Relevant 関連性
- Time-Bound 期限付き
大切なのは、より具体的で達成可能な目標を立てることです。また、「1日で1000単語覚えれば1か月で3万語!」のような非現実的な目標ではなく、無理のない期限で決めることも大切です。
おすすめは短期目標と長期目標
ここでおすすめなのが短期目標と長期目標を設定する方法です。
小さな目標だけだと、方向性を見失ってしまいます。大きな目標だけだと、いつまでも達成できずにモチベーションが下がってしまいます。
例えば、短期的な目標は「今日はこの章を読み終える」、長期的な目標は「TOEICで800点を取る」などが考えられます。小さな目標を立て、小さな成功を積み重ねることで、達成感を得ることができ、モチベーションの維持にも繋がります。
言語学習は、大きなビジョンを持ち、日々積み重ねることが大切です。
焦らずコツコツと小さな目標を達成していきましょうね。
定期的に繰り返す
3つ目の方法は、定期的に何度も繰り返すことです。
何度も繰り返す
単純なことですが、実は、言語学習は反復するのが最適な方法です。というのも、人間は忘れる生き物だからです。人間がもし「忘れられない生き物」なら、嫌なことを何でもすぐに思い出してしまいます。その方が怖いですよね。毎日、黒歴史を思い返す日々になってしまうかもしれません。
その代わり、何度も繰り返して復習する出来事は、脳が大切なことだと記憶してくれます。脳研究者で有名な池谷裕二氏も、「復習を4回することで脳を騙すことができる」と、以前おっしゃっていました。何度も繰り返すことで、脳が「この情報は必要なんだな」と判断してくれます。ただ、復習に必要な回数は3~10回ほどと個人差があるようです。
私は、3回では覚えられないので、覚えたい単語や例文はだいたい5回以上は繰り返すようにしています。音読できるときは音読しています。稀にいる記憶力が良い人が羨ましいですが、持っていないものはしょうがありません。凡人は繰り返して覚えるしかないのです。すっぱり諦めて繰り返しましょう。
エビングハウスの忘却曲線
ここで重要なのは、”定期的”に繰り返す、ということです。
というのも、「エビングハウスの忘却曲線」によれば、人間の脳は20分後に42%、1時間後には56%、1日後には74%も忘れてしまうとされているからです。人間は、次の日には半分以上も忘れてしまうんですね。
忘れないようにするには、「何回も言ってるけどこれ必要だからね」と定期的に脳に教えてあげないといけません。こうすることによって、短期記憶から、長期記憶に移動することができます。
皆さんも、単語を忘れてしまっても、やる気を失わないでください。気にすることではありません。忘れたらまた覚え直す。言語学習は定期的な繰り返しです。
常に学習する言語に触れる
4つ目の方法は、常にその言語に触れることです。
ネイティブのように話したいのなら、日本語を毎日使うのと同じように、学習言語にも触れる必要があります。たまにその言語について考えるだけで、ネイティブのようにスムーズに会話できれば、誰も苦労しないはずです。毎日言語に触れることで、学習意欲も向上することができます。
ネイティブスピーカーを見つけて、普段からコミュニケーションを取るのも大切です。言語はコミュニケーションツールなので、誰かと話すことで上達するものです。周りにネイティブがいない場合は、友達に言語交換パートナーになって、一緒に勉強するのも方法です。一緒に住んでいる家族やパートナーも巻き込めれば、より良いですね。一人で勉強するより楽しくなれば、モチベーションも継続できます。周りに外国語を話せる人がいない場合は、アプリやSNSを利用するのも1つの方法です。最近では、直接会って話すよりも、ネットでコミュニケーションを取る方が多い時代かもしれません。
外国語のニュース、ブログ、映画を見たり、音楽を聴くのも、歴とした言語との触れ合いです。その他にも、好きな漫画の外国語版を読むのも学習になります。例えば、英語版が出ている有名な漫画には、『ワンピース』や『鬼滅の刃』などがあります。普段のルーティンに、これらのことを組み込めれば、外国語を使う機会は格段に増加します。身近なことでしたら、スマホの表示言語を外国語にするのも良いかもしれませんね。もちろん、日本語に戻す方法は必ず覚えておいてくださいね。
以前も紹介しましたが「ながら作業」や「隙間時間」で有効活用するのも1つです。
外国語を日常生活に取り込む方法は、環境によって様々あると思います。なるべくたくさん、学習言語を生活に取り込んでみてくださいね。
その他の学習方法については以下の記事で網羅的にまとめています。
まとめ
今回は、言語学習が上手くいかない時におすすめの方法を4つご紹介しました。
- 勉強する環境を整える
- 目標を明確にする
- 定期的に繰り返す
- 常に学習する言語に触れる
この記事が皆さんの言語学習の一助になれば嬉しい限りです。