今回は「言語学習に役立つフリーサイト」をご紹介します。
日本で外国語を勉強すると、教材やレッスンの費用が高くなってしまいがちですよね。最近は言語学習に役立つ便利なフリーサイトが沢山あるので、無料でも十分に勉強することが出来ます。そこで、総合的に学べるサイトから、楽しんで学べるサイトまで、10選ご紹介したいと思います。
東外大言語モジュール
TUFS言語モジュール(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
TUFS言語モジュール(東外大言語モジュール)は、東京外国語大学が開発した言語教材サイトです。「発音・会話・文法・語彙」の4つのコンテンツがあり、非常に学習しやすいサイト構成になっています。基礎から応用まで、総合的な言語学習に最もおすすめのサイトです。現在学習できるのは以下の27言語です。
サイトの説明によると、文科省の「特別教育研究経費」によって支援され、外国語教育の発展のためにネットで一般公開しているそうです。高額な参考書を買う前にぜひおすすめしたいサイトです。
高度外国語教育独習コンテンツ
高度外国語教育独習コンテンツは、大阪大学が開発した外国語教育の独習コンテンツです。東京外国語大の言語モジュールも有名ですが、こちらも総合的な言語学習におすすめです。現在以下の20言語について学習が出来ます。
言語によってコンテンツは異なりますが、動画が多くて分かりやすいのが印象です。大学が開発した教材が無料で使えるのはとても嬉しいですよね。こちらもぜひ有効活用したいですね。
YouTube ユーチューブ
世界中の動画が視聴できるYouTubeは、通信費を除けば無料で視聴できるので、無料のリスニング教材になります。外国語学習は生の表現を聞くことも大切です。YouTubeには自動字幕(文字起こし)や自動翻訳の機能があるので、外国語を勉強するのにも役立ちます。AI翻訳の精度も年々向上しています。聞き流しや「ながら作業」でたくさん聞いて耳を慣らしたいですね。複数の言語を同時に学ぶには、外国語で外国語を教えている動画なども効率的です。
言語学習にお勧めのチャンネルを1つ紹介すると、「Easy Languages」というチャンネルがあります。様々な国のストリートインタビューを、その国の言語で聞くことができます。動画の時間も1~10分程度で見やすいのも利点です。
Twitter ツイッター
世界の利用者数が3億人以上とされるTwitterも、生の言語に触れるのに最適です。YouTubeがリスニング教材なら、Twitterは無料のリーディング教材です。Twitterにも自動翻訳ボタンがあるので、知らない言語でもある程度の理解が可能です。効率の良い勉強方法は7~8割の理解だと言われているので、文章を読んでいてわからない単語が多くなれば直ぐに翻訳を見て意味を確認するのが効率的です。
Twitterには検索言語を指定もしくは除外する便利な機能があります。例えば、英語だけの検索結果を見たい場合はキーワードの後に「lang:en」と入力します。また、日本語のツイートだけを除外する場合は「-lang:ja」を追加します。
Twitterがサポートしている言語は下の記事でまとめています。
Reverso Context レベルソコンテキスト
Reverso Contextは、フランスのReverso社が提供している例文検索サイトです。15言語の例文の対訳が検索できるので、多言語同時学習に最適です。「Reverso:翻訳と学習」というアプリも出ています(課金あり)。
Reverso Contextで検索できる例文は、膨大な数の映画や本などから構築された「言語コーパス」から作成されています。コーパス(corpus)とは、会話文や例文を大量に蓄積してデーターベース化した言語資料のことです。コーパスは実際に使われている生の表現で構築されているので、言語学だけでなく言語学習にもよく取り入れられています。
Wiktionary ウィクショナリー
Wiktionaryは、ウィキメディア財団が運営しているフリーの辞書&類語辞典です。Wikipediaの姉妹サイトです。特に語源に関して詳細なので「単語の成り立ち」を調べるのに重宝します。
例えば「お皿」を意味する英語の「plate」は、スペイン語ではplato、フランス語ではplat、ドイツ語ではPlatteと言いますが、どの言語もスペルが似ています。というのも、これらの単語はラテン語のplata(お皿)、更にはギリシャ語のplatys(広い、平らな)という単語に由来しているからです。英語のplateの語源が「広い、平らな」だと分かれば、place(場所)、plane(平面)、plaza(広場)、plant(植物)などが「広がり」に関する単語だと納得して覚えることが出来ます。
語源からアプローチすると、①英語の理解力向上と、②多言語同時学習、に役立ちます。他の言語との繋がりがあるので覚えやすいですし、忘れにくくもなるからです。
Duolingo デュオリンゴ
Duolingoは、アメリカのDuolingo社が提供している無料の教育ウェブサイトです。現在、約90言語のコースがあり、イラストが多く楽しく学習できます。利用は無料で、希望者のみ課金制度があります。「Duolingoで英語学習」というアプリも出ています(課金あり)。
Google翻訳
Google翻訳は、アメリカのgoogle社が提供する翻訳サイトです。機械翻訳の定番ですね。現在、100以上の言語が翻訳可能です。Twitterの翻訳もGoogleのエンジンを使っています。精度は年々向上しているので言語学習としても利用できます。
DeepL翻訳
DeepL翻訳は、ドイツのDeepL社が提供する翻訳サイトです。翻訳言語は29言語とGoogle翻訳より数は少ないですが、流暢な表現の翻訳として評価されています。
AIアート
AIアートには、楽しみながら英語力を向上させるという使い方もあります。AIアートとは、「入力したテキストに合わせて、AIが自動で生成した絵画」のことです。自分で作った英文をイラストとして出力するので、英文を考える練習になります。有名な画像生成AIにはMidjourneyやCraiyonなどがあります。Craiyonは制限なく無料で利用できますが、Midjourneyは月25枚までは無料で利用可能です。下記の記事でもAIアートと言語学習について少し触れています。
まとめ
今回は「多言語や外国語の学習に役立つ便利なフリーサイト」を紹介しました。ネットには無料で言語を学ぶ場が沢山あるので、ぜひ有効活用したいですね。
- 総合的学習:TUFS言語モジュール、高度外国語教育独習コンテンツ
- リスニング:YouTube
- リーディング:Twitter
- 例文検索:Reverso Context
- 単語語源:Wiktionary
- 機械翻訳: Google翻訳、DeepL翻訳
最もお勧めなのは、東京外語大や大阪大学が開発した「TUFS言語モジュール」と「高度外国語教育独習コンテンツ」です。どちらも総合的な言語学習を、体系的に進めていくことができます。一通り基礎を学んだら、YouTubeやTwitterで生の表現に触れるのが良いかなと思います。翻訳や字幕機能もあるので恐るるに足りません。勉強は7~8割の理解が最適だとされているので、わからなくなったら直ぐに翻訳に頼ると効率的です。勉強に飽きたらAIアートで息抜きをするのも良いかもしれませんね。どれも無料で使用できるサイトなので気軽に試してみてください。
言語学習も含め、教育はなるべく無償で出来た方が良いと思っています。この記事やブログも皆さんの言語学習の一助に寄与できれば嬉しい限りです。