二重目的語構文(double object construction)とは?意味と使い方をわかりやすく解説

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二重目的語構文(double object construction)とは、動詞のあとに2つの目的語が続く構文のことです。「誰に何を与えるか」を簡潔に表現でき、英語で頻繁に使われます。この記事では、二重目的語構文の意味や使い方をわかりやすく解説します

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二重目的語構文とは何か?

二重目的語構文(double object construction)とは、動詞のあとに2つの目的語をとる構文のことです。基本的には「人」を表す間接目的語と「物」を表す直接目的語が続きます。英語の第4文型(SVOO)にあたり、「主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」の順で並びます。

たとえば、次の文をみてみましょう。

  • She gave me a gift.
    彼女は私にプレゼントをくれた。

この文では、「me」が間接目的語、「a gift」が直接目的語です。動詞のあとに「誰に(人)」+「何を(物)」という順で目的語を置くのが、二重目的語構文の基本です。

このような2つの目的語のことを「二重目的語(double object)」、そして二重目的語をとる動詞のことを「二重他動詞(ditransitive verb)」と呼びます。

ごがくねこ
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二重目的語構文は「誰に何を与えるか」を簡潔に表現できるので、英語でよく使われます。

二重目的語構文の使い方と語順

二重目的語構文には、主に次の2通りの語順があります。

  • 間接目的語 + 直接目的語
  • 直接目的語 + 前置詞(to/for) + 目的語

動詞によっては、どちらの語順も可能な場合と、片方しか使えない場合があります。

間接目的語 + 直接目的語

二重目的語構文の基本的な語順は「間接目的語 + 直接目的語」です。

  • 正)I sent my friend a message.(○)
  • 誤)I sent a message my friend.(×)

my friend」が間接目的語(人)で、「a message」が直接目的語(物)です。

ごがくねこ
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二重目的語構文は「人→物」の順が基本です。

直接目的語 + 前置詞(to/for) + 目的語

二重目的語は「直接目的語 + 前置詞(to/for) + 目的語」の形にすることもできます。

  • 正)She gave me a gift.(○)
  • 正)She gave a gift to me.(○)
    (彼女は私に贈り物をくれた)
  • 正)He made her a cake.(○)
  • 正)He made a cake for her.(○)
    (彼は彼女のためにケーキを作った)

これらの文では、「a gift」「a cake」が直接目的語、「to me」や「for her」が間接目的語に相当します。つまり「人」を後ろに置く場合は前置詞が必要になります。「to me」や「for her」は前置詞句で、その中の「me」や「her」は「前置詞の目的語」と呼ばれます。

ごがくねこ
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「to」か「for」のどちらの前置詞が使われるかは動詞によって異なります。

「to」と「for」を使う動詞の違い

「直接目的語 + 前置詞 + 目的語」の構文で使われる前置詞(to/for)は、動詞によって決まります。

「to」を使う動詞

何かを相手に向かって移動させる」ような意味を持つ動詞では「to」を使います。

  • give(与える)
  • send(送る)
  • show(見せる)
  • teach(教える)
  • tell(伝える)
  • offer(申し出る)

例文をみてみましょう。

  • I gave a book to her.
    私は彼女に本をあげた。
  • She showed the picture to me.
    彼女はその絵を私に見せた。

「for」を使う動詞

相手のために何かをしてあげる」という意味を含む動詞では「for」を使います。

  • buy(買ってあげる)
  • make(作ってあげる)
  • cook(料理してあげる)
  • find(見つけてあげる)
  • get(取ってあげる)

例文をみてみましょう。

  • He bought a coffee for me.
    彼は私にコーヒーを買ってくれた。
  • She made a cake for him.
    彼女は彼のためにケーキを作った。

「to」と「for」の使い分けのポイント

「to」と「for」の使い分けは、前置詞のイメージで区別しましょう。

  • to = 方向性を表す。「〜へ」「〜に向かって」
    例:give, send, offer, show…
  • for = 目的や利益を表す。「〜のために」
    例:make, buy, get, cook…
ごがくねこ
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前置詞はイメージで覚えるのが効果的です。

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二重目的語構文が使える主な動詞

すべての動詞が二重目的語構文にできるわけではありません。目的語を2つとることができる動詞は、二重他動詞(ditransitive verb)と呼ばれます。

代表的な動詞は以下の通りです。

  • give(与える)
  • show(見せる)
  • send(送る)
  • tell(伝える)
  • teach(教える)
  • buy(買ってあげる)
  • make(作ってあげる)
  • offer(提供する)

例文で使い方を確認しましょう。

  • She gave him a book.
    彼に本をあげた。
  • I showed him my new phone.
    私は彼に新しい携帯電話を見せた。
  • I sent her an email.
    私は彼女にメールを送った。
  • He told me the truth.
    彼は私に真実を伝えた。
  • They taught us English.
    彼らは私たちに英語を教えた。
  • They bought a toy for their son.
    彼らは息子におもちゃを買った。

下線が間接目的語(人)で、太字が直接目的語(物)です。

目的語を2つとる動詞は二重他動詞と呼ばれますが、その中でも相手に「与える」といった意味を持つ授与動詞(benefactive verb)でよく使われます。ただし、すべての動詞が二重目的語をとれるわけではなく、たとえば「explain, describe, suggest, recommend」などは「to + 人」の形になります。

  • 誤:He explained me the rule.(×)
  • 正:He explained the rule to me.(○)
ごがくねこ
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このような動詞は、前置詞なしでは2つの目的語をとることができないので注意してください。

二重目的語構文の注意点

二重目的語構文の注意点をまとめました。

  • 二重目的語構文の基本的な語順は「主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」。
    例:She gave me a present.
  • 「直接目的語 + to/for + 目的語」にすることもできる。
    例:She gave a present to me.
  • 動詞によって使う前置詞は異なる。
    to:give, send, tell, show など
    for:buy, make, get, cool など
  • 二重目的語をとる動詞は二重他動詞と呼ぶ。
    例:give, send, tell, pass, teach, make…
  • 一部の動詞は「to+人」だけをとる。
    例:explain, describe, suggest, recommend…
    × He explained me the rule.
    ○ He explained the rule to me.
  • 強調したい語(人や物)を後に置くことでニュアンスを変えられる。
    例:She gave me a present.
    例:She gave a present to me.

まとめ

この記事では、二重目的語構文の意味と使い方について解説しました。

二重目的語構文とは、動詞のあとに2つの目的語(間接目的語と直接目的語)が続く文型を指します。この構文を使うことで、「誰に何を与えるか」などを簡潔に表現することができます。基本的な語順は「主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」ですが、前置詞の「to」や「for」を使う構文もあるので、場面に応じて使い分けてみてください。

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