英語と日本語を比べると、「色」のとらえ方にも違いが見えてきます。
たとえば日本語の「あお」。昔の日本語では「青」は今より広い意味を持ち、緑色まで含んでいました。信号機を「青信号」と呼ぶのはその名残です。英語では信号の色は「green」と表すので、日本語の「青」と英語の「blue/green」は完全には重なりません。
また、日本語には「桜色」「抹茶色」「空色」のように自然や文化に結びついた繊細な色名が豊富にあります。英語でも「sky blue」「rose pink」といった表現はありますが、日本語ほど日常的には使われません。日本では、独特の美意識が、色の言葉に反映されていますよね。
逆に、英語では「red」「blue」「yellow」などの基本色がはっきりと分けられています。たとえば「light blue」「dark blue」と細かく言い分けるのも自然です。日本語では「水色」という独立した色名がありますが、英語話者からすると「blueの一種」という感覚になることが多いようです。
この違いは単なる言葉の違いではなく、「世界をどう切り取るか」の違いでもあります。日本語は文脈や文化的なイメージと結びつけて色を表現する一方で、英語は基本的な分類を軸にして表す傾向があるからです。
英語と日本語を行き来すると、「色」という身近なものにも、文化の多様性や感じ方の違いが映し出されていて面白いですよね。そのような違いをさらに調べていくと、普段見る景色もより違って見えてくるかもしれませんね。