なぜ英語には「単数」と「複数」があるのか?

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英語を勉強するとき、「apple」と「apples」をきっちり区別しないといけないのは、ちょっと面倒に感じる人も多いと思います。日本語では「りんごを食べた」と言えば、1個なのか2個なのかは文脈で判断できますよね。では、なぜ英語はわざわざ「単数」と「複数」を分けるのでしょうか。

これは、言語がどんな情報を明確に伝えることを大事にしてきたかの違いから生まれています。英語を含むヨーロッパの多くの言語は、「数」をはっきり示すことを重視してきました。たとえば古代ギリシャ語やサンスクリット語には「単数」「複数」だけでなく「双数(2つだけを表す形)」まであったんです。つまり「ひとつ」「ふたつ」「それ以上」と、細かく数を意識する文化があったんですね。

一方、日本語などの言語は、数を必ずしも文法で表す必要がありません。「三つのりんご」と言いたければ数詞を添えればよいし、特に数を言わなくても文脈で理解できることが多いからです。

また、英語で複数を表す「-s」は、ただの数の印だけではなく、文章のバランスをとる役割もしています。「The cat sleeps.」と「The cats sleep.」のように、主語が複数になると動詞の形も変わりますよね。こうして「誰が、どれくらいいるのか」を文全体でそろえて示す仕組みができあがっています。

考えてみれば、「単数・複数を分ける言語」と「分けない言語」があるのは面白いことです。どちらが合理的というわけではなく、文化や歴史のなかで「何をはっきり区別するのが大事か」が違っただけなんですね。英語の「-s」に出会うたびに、「これは数を大事にする文化の名残なんだ」と思うと、少し親しみが湧くかもしれませんね。

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