「犬」を意味するいちばん基本的な単語はもちろん「dog」です。ただし、英語には犬を指す言い方がたくさんあり、ニュアンスや場面によって使い分けられています。
たとえば「puppy」は子犬のこと。日本語でも「パピー」として知られていますね。「hound」は猟犬を指し、昔から狩りに使われてきた犬をイメージさせます。「pooch」はくだけた言い方で「わんこ」くらいの親しみやすい響き。「canine」は学術的・フォーマルな表現で、「イヌ科の」という意味も持ちます。
犬種の名前も英語ではそのまま使われることが多いです。「bulldog(ブルドック)」「beagle(ビーグル)」「poodle(プードル)」など、日本語にも定着していますよね。犬種を表す単語は、そのまま固有名詞のように覚えてしまうのが近道です。
おもしろいのは、犬にまつわるイディオムです。「work like a dog(汗水流して働く)」「every dog has its day(誰にでもチャンスはある)」など、犬は人間の身近な存在だったからこそ、多くの表現に登場します。一方で「dog」という言葉は時にネガティブな意味も持ち、「a dirty dog(卑劣なやつ)」のように人をけなす表現にも使われます。
また、日常会話で「doggie(わんちゃん)」という幼児語風の言い方もよく耳にします。子どもや飼い主が犬に話しかけるときの、ちょっと甘えた雰囲気が出る呼び方です。
つまり英語の「犬」を表す言葉は、「dog」ひとつにとどまりません。かわいらしさを表したいのか、品種を説明したいのか、それとも比喩として使いたいのかによって表現が変わります。身近な存在だからこそ、言葉のバリエーションも豊かなんですね。犬好きの人は、こうした呼び方の違いを知ると英語がもっと楽しく感じられるかもしれません。