「灰」は英語で「ash」と言います。たとえば「volcanic ash(火山灰)」や「cigarette ash(タバコの灰)」のように使われます。灰そのものを集めたものは複数形で「ashes」と表されることが多く、「the ashes of the fire(火の燃え殻)」のように言います。
特に「ashes」という言葉は、比喩や文化的な表現でもよく登場します。「rise from the ashes」は「灰の中からよみがえる」という意味で、失敗や崩壊から立ち直ることを指します。神話の不死鳥フェニックスが燃え尽きた灰から再生するイメージが背景にあるからです。
また「灰色」を表すときには「ash gray」や「ashen」という表現も使われます。「ashen face」と言えば、顔色が真っ青(実際には灰色)になるほど驚いたり動揺したりしている様子を指します。ここでは「ash」が色の形容詞として働いています。
宗教や文化にも灰は登場します。キリスト教では「Ash Wednesday(灰の水曜日)」という日があり、額に灰をつけて悔い改めを象徴します。火の後に残る灰は「終わり」と同時に「新しい始まり」を示すシンボルとして扱われているのです。
このように英語の「ash」「ashes」は、単なる燃えかすを指すだけでなく、再生・驚き・儀式といった豊かな意味を含んでいます。日本語の「灰」と重なる部分もあれば、文化的に広がったニュアンスもあり、英語で触れると少し違った世界が見えてきますね。
