グローバル化が進む現代、英語を「第二言語」として学ぶ機会は増えています。英語では一般的に「second language」と表現されますが、学習環境や目的、そして言葉の成り立ちに注目すると、英語圏における言語観の深さが見えてきます。
まず、教育や言語学の分野でよく耳にする「ESL」と「EFL」という言葉があります。これらはどちらも英語学習を指しますが、実は明確な違いがあります。アメリカやイギリスなどの英語圏に移住して学ぶ場合は「ESL(English as a Second Language)」と呼ばれ、日本のように日常的に英語を使わない環境で学ぶ場合は「EFL(English as a Foreign Language)」と区別されます。自分を取り巻く「環境」によって、使われる用語が変わるのが特徴です。
「第二言語」に関連して欠かせないのが、母国語を指す「mother tongue」という表現です。なぜ「言語(language)」ではなく「舌(tongue)」を使うのでしょうか。その理由は、古英語において「tongue」が「話すための器官」であると同時に「言語そのもの」を指していたことに由来します。また、「mother」という言葉が添えられているのは、子供が母親から最初に言葉を教わるという、家族の絆と言語形成の密接な関係を象徴しています。
また、共通の母国語を持たない人々が意思疎通のために使う「Lingua Franca(リンガ・フランカ)」という言葉もあります。もともとは中世の地中海周辺で商人たちが使っていた混成語を指していましたが、現在では世界共通語としての「英語」を指す際によく使われます。特定の国の文化に縛られず、世界中の人々が繋がるための道具としての英語を象徴する、歴史ある呼び名です。
面白い慣用句として、「to speak in tongues」という表現があります。直訳すると「舌で話す」となりますが、これは「(宗教的なトランス状態で)異言を操る」や「意味不明なことを口走る」という意味で使われます。言語を司る「舌」が、時に神秘的、あるいは制御不能な象徴として捉えられてきた文化背景が伺えます。
文法的なニュアンスとして、自分のスキルを説明する際に「I speak a second language」と言うと、単に「二つ目の言葉が話せる」という意味になります。一方で、より専門的に習得していることを強調したい場合は「proficient(熟達した)」や「near-native(ネイティブに近い)」といった言葉を添えるのが一般的です。
このように、英語における「第二言語」という概念は、単なるスキルの呼称を超えて、学習者の環境や歴史、そして人間としてのルーツと深く結びついています。言葉を学ぶということは、その背景にある「舌」の歴史を知ることでもあると言えるのではないでしょうか。
