会話の途中で考え込んだり、言葉に詰まったりしたときに出る「うーん」。日本語では一言で済みますが、英語では状況や思考の深さによって「つなぎ言葉(フィラー)」を巧みに使い分けるのが特徴です。
最も一般的で、単に言葉を探している時に使われるのが「Umm」や「Uh」です。一方で、相手の質問に対して「そうですね…」と少し間を置いたり、反対意見を柔らかく伝えたりする際には「Well…」が好まれます。また、頭の中でスケジュールを確認したり、記憶をたどったりと積極的に思考を巡らせている時の「うーん」は、「Let me see…」や「Let me think…」と表現されます。口を閉じて深く考え込んだり、疑念を持ったりしている時の「Hmm」は、日本語の「ふーむ」や「うーん」に非常に近いニュアンスを持ちます。
このような言葉は英語で「Filler words(フィラー)」と呼ばれます。日常会話を自然で滑らかにする潤滑油の役割を果たしますが、多用しすぎると自信がないように聞こえてしまうため注意が必要です。アメリカのパブリックスピーチの団体では、スピーチ中の「Umm」や「Uh」の回数を数えて減らすトレーニングがあるほど、フォーマルな場では避けるべきとされています。
若者の間でよく使われる現代的な「うーん」のバリエーションとして、「Like」や「You know」があります。「あのー」「ていうか」といったニュアンスを含み、会話のテンポを崩さずに考える時間を稼ぐためによく登場します。また、「うーん、どうしよう」と心の中で迷っている状態そのものを表す表現として、「sit on the fence(フェンスの上に座る=どちらに転ぶか迷っている)」という面白い慣用句もあります。
文法的な役割を持たないフィラーですが、コミュニケーションにおいては会話の「沈黙(ポーズ)」を埋める重要な機能を持っています。英語圏では、完全に沈黙してしまうと「話が終わった」と勘違いされることがあるため、あえて「Umm」と声に出すことで「まだ考え中ですよ(発言権は私にありますよ)」というサインを送っているのです。
このように、英語の「うーん」には会話のキャッチボールをスムーズに続けるための知恵が詰まっています。教科書にはあまり載っていませんが、ネイティブのフィラーの使いこなしに注目してみると、より自然な生きた英語の感覚を掴むことができるはずです。
