私たちが日常的に使っている「カメラ」。英語でもそのまま「camera」ですが、その語源や関連する表現を深掘りすると、写真技術の発展や文化の違いが浮かび上がってきます。
実は「camera」という単語は、ラテン語で「部屋」を意味する言葉に由来しています。写真の原点となった、小さな穴から暗い小部屋の壁に外の景色を映し出す光学装置「camera obscura(暗い部屋)」がその語源です。初期のカメラは持ち運べるようなものではなく、人が入れるほどの「部屋」そのものだったという歴史が、この単語には刻まれています。
カメラの種類を英語で表す際も、機能や動作がそのまま名前になっていることが多くあります。例えば、日本で言う「一眼レフカメラ」は「SLR(Single-Lens Reflex)」と表記されます。また、手軽なコンパクトデジタルカメラのことは、狙いを定めて(point)撃つ(shoot)という動作から「point-and-shoot camera」と表現されます。直感的でとてもわかりやすいネーミングですね。
写真を撮る際の定番の掛け声といえば、ご存知の通り「Say cheese!(チーズと言って!)」です。なぜチーズなのかというと、「cheese」の「イー」の音を発音する際に口角が上がり、自然と笑顔の口の形になるためです。また、被写体として魅力的な人や景色を褒める際には「photogenic(写真映えする)」という言葉がよく使われます。
日常会話でよく使われる「snapshot(スナップ写真)」という言葉にも面白い背景があります。これはもともと狩猟の用語で、「(飛び立つ鳥などに)狙いを定めずに素早く銃を撃つこと」を意味していました。そこから転じて、準備なしに素早く日常を切り取る写真のことを指すようになり、現在ではビジネスやITの分野でも「ある瞬間の状況(データ)」という意味で比喩的に使われています。
文法的な注意点として、写真を「撮る」と言うときは「make」などではなく、「take」を使います。「take a picture」や「take a photo」という形です。その瞬間の光や景色を「自分の手元に引き寄せて切り取る(take)」という感覚を持ってみると、ネイティブのニュアンスに近づけるはずです。
このように、「カメラ」にまつわる英語には、「暗い部屋」という起源から、狩猟用語由来の表現まで、様々なストーリーが隠されています。次にシャッターを切る時は、こんな言葉のルーツを思い出してみてはいかがでしょうか。
