定冠詞(definite article)とは?意味と使い方をわかりやすく解説

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定冠詞(definite article)とは、特定の名詞を指すために使われる冠詞です。英語では「the」が定冠詞にあたり、話し手と聞き手がその名詞について共通の認識を持っている場合に使われます。この記事では、定冠詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。

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定冠詞とは何か?

定冠詞(definite article, ディフィニット・アーティクル)とは、特定の名詞を指すために使われる冠詞です。英語では「the」が定冠詞で、話し手と聞き手が「どの名詞を指しているのか」について共通の認識を持っている場合に使われます。

たとえば、以下のような文を見てみましょう。

  • I saw a cat in the garden.
    私は庭で1匹の猫を見た。
  • The cat was sleeping.
    その猫は寝ていた。

1つ目の文では、話し手が初めて猫について言及しているため、「a cat」と不定冠詞を使っています。しかし、2つ目の文では、その猫がすでに話題に出ているため、「the cat」と定冠詞を使います。

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定冠詞「the」の基本的な使い方

定冠詞「the」には、いくつかの基本的な使い方があります。ここでは主な使い方を紹介します。

1. すでに話題に出たもの

1度目に登場する名詞には不定冠詞(a, an)を使い、2度目以降は定冠詞「the」を使います。

  • I bought a book. The book was very interesting.
    私は本を買った。その本はとても面白かった。
  • I saw a movie last night. The movie was amazing.
    昨晩映画を観た。その映画は素晴らしかった。
ごがくねこ
ごがくねこ

最初に不定冠詞を使って新しい情報を紹介し、その後に定冠詞「the」を使ってその情報を特定する形になります。

2. 特定の対象を示す場合

話し手と聞き手が、どの対象を指しているのか共通認識がある場合に「the」を使います。

  • Can you pass me the salt?
    その塩を取ってくれる?
  • Please close the door.
    ドアを閉めてください。
ごがくねこ
ごがくねこ

これらの例では、話し手と聞き手が「それ」だと明確に理解しているため、定冠詞「the」が使われます。

3. 特定の場所や組織

特定の場所や組織、または明確に識別できる対象には「the」を使います。

  • The White House(ホワイトハウス)
  • The Eiffel Tower(エッフェル塔)
  • The United Nations(国際連合)
  • The Red Cross(赤十字)
  • The United States(アメリカ合衆国)
  • The United Kingdom(イギリス)

通常、単数の国名には「the」はつきません。たとえば、「France」や「Japan」には定冠詞は不要です。しかし、複数形で名前が構成されている国名や、特定の地名や建物には定冠詞が使われます。たとえば、「The United States」や「The Philippines」などです。

4. 唯一の存在であるもの

太陽や地球など、世界にただ一つしかない対象には「the」を使います。

  • The sun is shining.
    太陽が輝いている。
  • The moon looks beautiful tonight.
    今夜は月が美しい。
  • The sky is clear today.
    今日は空が晴れている。
  • The internet has changed our lives.
    インターネットは私たちの生活を変えた。

補足すると、このルールでは、物理的に唯一の存在であるもの(太陽や月)に加え、認識として「唯一」とされるものにも定冠詞が使われます。たとえば「The internet」のように、私たちの認識で唯一無二の存在として扱われるものにも使われます。

5. The + 形容詞(〜な人々)

「the + 形容詞」の形で、ある属性を持つ人々全体を指します。

  • The rich should help the poor.
    お金持ちは貧しい人を助けるべきだ。
  • The young are often more open to new ideas.
    若い人々は新しいアイデアにオープンであることが多い。

この「the + 形容詞」の形は、特定の属性(富、年齢、社会的地位など)を持つ人々を一般的に指すために使用されます。形容詞が名詞化され、特定の集団を表すため、特に一般的な社会的カテゴリーを指す場合に使われます。

6. 楽器の演奏

楽器を演奏する場合、特定の楽器を指している場合は定冠詞「the」を使います。ただし、楽器の種類を一般的に言及する場合には、定冠詞は使われません。

  • She plays the piano.
    彼女はピアノを弾く。
  • He learned to play the guitar.
    彼はギターの弾き方を学んだ。
  • She plays piano.
    彼女はピアノを弾く(一般的に)

なお、この使い分けは、地域や文脈によって異なることがあります。

7. 序数や最上級

序数(first, second)や最上級(best, biggest)の前にも「the」が付きます。これらは特定の順番や状態を指すため、定冠詞「the」が使われます。

  • He was the first person to arrive.
    彼は最初に到着した人だった。
  • This is the best movie I have ever seen.
    これは私が今まで見た中で最高の映画だ。

序数や最上級は、ある順番や状態が他のものと比べて特別であることを示すため、定冠詞「the」が必ずつきます。これらの表現は、特定の順序やランク、優れた状態を強調するため、「the」が必要になります。

ごがくねこ
ごがくねこ

英語の定冠詞は使い分けが複雑なので、状況に応じて適切に使い分ける必要があります。

定冠詞(the)を使わない場合

定冠詞が不要なケースもあります。たとえば、固有名詞抽象名詞一般的な概念には、基本的に「the」が付きません。

  • 固有名詞
    人名(例: John, Mary)
    国名(例: Japan, Canada)
    都市名(例: Tokyo, New York)
    会社名(例: Microsoft, Apple)
  • 抽象名詞
    例:love, happiness, beauty, education, health
    例:Education is the key to success.(教育は成功への鍵だ)
  • 一般的な概念
    例:Cats are cute.(ネコはかわいい)
    例:Elephants are large animals.(ゾウは大きい動物だ)

固有名詞には通常、定冠詞「the」は付きません。ただ、複数形の国名には「the」が付くことがあります。たとえば、「the United States」や「the Philippines」などです。

抽象名詞も通常、定冠詞は必要ありません。ただ、抽象名詞が特定のものを指す場合には、「the」が使われることもあります。たとえば、「the freedom of speech」など、具体的な意味合いで用いられることがあります。

不可算名詞についても、基本的に「the」はつきません。ただ、特定の状況では「the」が付くこともあります。たとえば、「Can you give me the information I asked for?(私が頼んだ情報を教えてくれる?)」のように、特定の情報を指す場合には「the」が使われます。

定冠詞を使わないケースは、スポーツや言語、国籍など、文脈によってさまざまです。

  • I live in Tokyo.
    私は東京に住んでいます。
  • I play soccer.
    私はサッカーをします。
  • He is Japanese.
    彼は日本人です。
  • She speaks French.
    彼女はフランス語を話す。
ごがくねこ
ごがくねこ

英語の定冠詞は、シンプルですが奥が深いです。

まとめ

この記事では、定冠詞「the」の意味と使い方についてわかりやすく解説しました。

定冠詞は、話し手と聞き手が特定の名詞について共通の認識を持っているときに使います。まさに「それ」という意味です。たとえば、すでに話題に出たもの、特定の物や場所、唯一無二のもの、最上級や序数など、さまざまな場面で使用されます。英語を学ぶ際には、定冠詞「the」の使い方にも注目してみてください。

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