二重目的語構文(double object construction)とは、動詞のあとに2つの目的語が続く構文のことです。「誰に何を与えるか」を簡潔に表現でき、英語で頻繁に使われます。この記事では、二重目的語構文の意味や使い方をわかりやすく解説します
基本品詞10
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二重目的語構文とは何か?
二重目的語構文(double object construction)とは、動詞のあとに2つの目的語をとる構文のことです。基本的には「人」を表す間接目的語と「物」を表す直接目的語が続きます。英語の第4文型(SVOO)にあたり、「主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」の順で並びます。
たとえば、次の文をみてみましょう。
- She gave me a gift.
彼女は私にプレゼントをくれた。
この文では、「me」が間接目的語、「a gift」が直接目的語です。動詞のあとに「誰に(人)」+「何を(物)」という順で目的語を置くのが、二重目的語構文の基本です。
このような2つの目的語のことを「二重目的語(double object)」、そして二重目的語をとる動詞のことを「二重他動詞(ditransitive verb)」と呼びます。

二重目的語構文は「誰に何を与えるか」を簡潔に表現できるので、英語でよく使われます。
二重目的語構文の使い方と語順
二重目的語構文には、主に次の2通りの語順があります。
- 間接目的語 + 直接目的語
- 直接目的語 + 前置詞(to/for) + 目的語
動詞によっては、どちらの語順も可能な場合と、片方しか使えない場合があります。
間接目的語 + 直接目的語
二重目的語構文の基本的な語順は「間接目的語 + 直接目的語」です。
- 正)I sent my friend a message.(○)
- 誤)I sent a message my friend.(×)
「my friend」が間接目的語(人)で、「a message」が直接目的語(物)です。

二重目的語構文は「人→物」の順が基本です。
直接目的語 + 前置詞(to/for) + 目的語
二重目的語は「直接目的語 + 前置詞(to/for) + 目的語」の形にすることもできます。
- 正)She gave me a gift.(○)
- 正)She gave a gift to me.(○)
(彼女は私に贈り物をくれた)
- 正)He made her a cake.(○)
- 正)He made a cake for her.(○)
(彼は彼女のためにケーキを作った)
これらの文では、「a gift」「a cake」が直接目的語、「to me」や「for her」が間接目的語に相当します。つまり「人」を後ろに置く場合は前置詞が必要になります。「to me」や「for her」は前置詞句で、その中の「me」や「her」は「前置詞の目的語」と呼ばれます。

「to」か「for」のどちらの前置詞が使われるかは動詞によって異なります。
「to」と「for」を使う動詞の違い
「直接目的語 + 前置詞 + 目的語」の構文で使われる前置詞(to/for)は、動詞によって決まります。
「to」を使う動詞
「何かを相手に向かって移動させる」ような意味を持つ動詞では「to」を使います。
- give(与える)
- send(送る)
- show(見せる)
- teach(教える)
- tell(伝える)
- offer(申し出る)
例文をみてみましょう。
- I gave a book to her.
私は彼女に本をあげた。 - She showed the picture to me.
彼女はその絵を私に見せた。
「for」を使う動詞
「相手のために何かをしてあげる」という意味を含む動詞では「for」を使います。
- buy(買ってあげる)
- make(作ってあげる)
- cook(料理してあげる)
- find(見つけてあげる)
- get(取ってあげる)
例文をみてみましょう。
- He bought a coffee for me.
彼は私にコーヒーを買ってくれた。 - She made a cake for him.
彼女は彼のためにケーキを作った。
「to」と「for」の使い分けのポイント
「to」と「for」の使い分けは、前置詞のイメージで区別しましょう。
- to = 方向性を表す。「〜へ」「〜に向かって」
例:give, send, offer, show… - for = 目的や利益を表す。「〜のために」
例:make, buy, get, cook…

前置詞はイメージで覚えるのが効果的です。

二重目的語構文が使える主な動詞
すべての動詞が二重目的語構文にできるわけではありません。目的語を2つとることができる動詞は、二重他動詞(ditransitive verb)と呼ばれます。
代表的な動詞は以下の通りです。
- give(与える)
- show(見せる)
- send(送る)
- tell(伝える)
- teach(教える)
- buy(買ってあげる)
- make(作ってあげる)
- offer(提供する)
例文で使い方を確認しましょう。
- She gave him a book.
彼に本をあげた。 - I showed him my new phone.
私は彼に新しい携帯電話を見せた。 - I sent her an email.
私は彼女にメールを送った。 - He told me the truth.
彼は私に真実を伝えた。 - They taught us English.
彼らは私たちに英語を教えた。 - They bought a toy for their son.
彼らは息子におもちゃを買った。
下線が間接目的語(人)で、太字が直接目的語(物)です。
目的語を2つとる動詞は二重他動詞と呼ばれますが、その中でも相手に「与える」といった意味を持つ授与動詞(benefactive verb)でよく使われます。ただし、すべての動詞が二重目的語をとれるわけではなく、たとえば「explain, describe, suggest, recommend」などは「to + 人」の形になります。
- 誤:He explained me the rule.(×)
- 正:He explained the rule to me.(○)

このような動詞は、前置詞なしでは2つの目的語をとることができないので注意してください。
二重目的語構文の注意点
二重目的語構文の注意点をまとめました。
- 二重目的語構文の基本的な語順は「主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」。
例:She gave me a present. - 「直接目的語 + to/for + 目的語」にすることもできる。
例:She gave a present to me. - 動詞によって使う前置詞は異なる。
to:give, send, tell, show など
for:buy, make, get, cool など - 二重目的語をとる動詞は二重他動詞と呼ぶ。
例:give, send, tell, pass, teach, make… - 一部の動詞は「to+人」だけをとる。
例:explain, describe, suggest, recommend…
× He explained me the rule.
○ He explained the rule to me. - 強調したい語(人や物)を後に置くことでニュアンスを変えられる。
例:She gave me a present.
例:She gave a present to me.
まとめ
この記事では、二重目的語構文の意味と使い方について解説しました。
二重目的語構文とは、動詞のあとに2つの目的語(間接目的語と直接目的語)が続く文型を指します。この構文を使うことで、「誰に何を与えるか」などを簡潔に表現することができます。基本的な語順は「主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」ですが、前置詞の「to」や「for」を使う構文もあるので、場面に応じて使い分けてみてください。