固有名詞(proper noun)とは、人名や地名、組織名など、特定のものを指す名詞のことです。英語では、固有名詞の頭文字を大文字にするなど、いくつかの重要なルールもあります。この記事では、固有名詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
基本品詞10
名詞|動詞|形容詞|副詞|代名詞|助動詞|前置詞|冠詞|接続詞|間投詞
その他
自動詞|他動詞|本動詞|規則動詞|不規則動詞|動作動詞|状態動詞|句動詞|可算名詞|不可算名詞|動名詞|固有名詞|普通名詞|集合名詞|物質名詞|抽象名詞|具体名詞|複合名詞|質量名詞|不規則複数名詞|定冠詞|不定冠詞|無冠詞|不定詞|関係詞|疑問詞|否定形|数詞|基数詞|序数詞|数量詞|接頭辞|接尾辞|接辞|語根|語幹
固有名詞とは何か?
固有名詞(proper noun)とは、特定の人・場所・団体・作品名などを表す名詞のことです。たとえば、次のようなものが固有名詞にあたります。
- 人名:John, Ana, Taro
- 地名:Japan, Mount Fuji
- 会社名:Google, Microsoft
- 作品名:Harry Potter, Star Wars
- イベント:Christmas, Golden Week
固有名詞は、一般的な物や概念を表す普通名詞(common noun)とは異なり、唯一の対象を指すのが特徴です。

固有名詞は名前の通り、ほかとは区別できる「固有」のものを指します。
固有名詞の使い方やルールとは?
固有名詞の特徴やルールをみていきましょう。
① 頭文字を大文字にする
固有名詞は、文のどこにあっても頭文字が大文字になります。これは英語特有の文法ルールです。
- My friend Alice lives in London.
私の友人アリスはロンドンに住んでいる。
また、複数の単語からなる場合、すべての主要な語が大文字になることが多いです。
- New York City(ニューヨーク市)
- Tokyo University(東京大学)
- Pacific Ocean(太平洋)

固有名詞の頭文字を大文字にする理由は、一般名詞と区別し、文章を読みやすくするためです。
② 通常は冠詞を付けない
固有名詞は特定のものを指すため、一般的には「a」や「the」といった冠詞を必要としません。
- 正)I visited Kyoto.
- 誤)I visited the Kyoto.

固有名詞に定冠詞が必要ないのは、唯一無二の存在を指すため、ほかと区別する必要がないからです。
③「the」を付ける固有名詞
前述した通り、固有名詞は基本的に定冠詞「the」を使いませんが、例外も数多くあります。たとえば、複数形の国名、一部の組織や建物、山や海には「the」を付けることもあります。
いくつか例をみてみましょう。
- The United States(アメリカ合衆国)
- The United Kingdom(イギリス)
- The United Nations(国連)
- The European Union(欧州連合)
- The World Bank(世界銀行)
- The Alps(アルプス山脈)
- The Sahara(サハラ砂漠)
- The White House(ホワイトハウス)
- The Eiffel Tower(エッフェル塔)
さて、なぜ固有名詞に定冠詞の「the」が付くのでしょうか。たとえば、「the United States(アメリカ合衆国)」や「the United Kingdom(イギリス)」には「the」が付きます。これは、名前に「states(州)」や「kingdom(王国)」といった普通名詞が含まれていて、複数の部分から成り立っているためです。このように、複数形や集合体を表す名前には「the」を付けるというルールがあります。

逆に言えば、Japan(日本)のように「単独の固有名詞」の場合は「the」は使いません。
④ 固有名詞は単数扱いになる
固有名詞は基本的に単数として扱われ、動詞の形もそれに合わせます。
- Google is a global company.
グーグルは世界的な企業です。 - Tokyo is a large city.
東京は大都市です。 - The United States is a country in North America.
アメリカ合衆国は北アメリカにある国です。
「The United States」は現在、単数形として扱われます。歴史的には「the United States are…」という表現が使われていた時期もあり、これは個々の州が集合体として考えられていたからです。しかし、南北戦争後は「The United States」を一つの国として強調するため、単数形が標準になりました。
また、一部の固有名詞は、例外的に複数形で扱われることがあります。たとえば、家族やグループの名前は複数形として使われることがあります。
- The Smiths are coming to dinner.
スミス家が夕食に来ます。

この場合、「The Smiths」は「スミス一家」のことを指し、複数形として使われています。
⑤ 固有名詞と普通名詞は対比される
固有名詞は、普通名詞(common noun)と対比されます。たとえば、「country(国)」は普通名詞、「Japan(日本)」は固有名詞です。
普通名詞 | 固有名詞 |
---|---|
一般的な種類全体 | 特定のもの・人・場所 |
country | Japan, Brazil |
city | London, New York |
mountain | Mount Fuji |
company | Apple, Google |
boy | John, Ken |
固有名詞は「特定のひとつのもの」、普通名詞は「一般的な種類全体」を指します。

固有名詞と普通名詞は、明確に対比される別のカテゴリーです。

まとめ
この記事では、固有名詞の意味と使い方について解説しました。
固有名詞とは、特定の人・場所・物・組織などの名前を表す名詞であり、英語では必ず大文字で始まります。また、通常は冠詞を伴わず、単数形扱いになります。文の中で固有名詞を正しく使うことで、意味がより明確になり、正確な表現が可能になります。英語学習を進める中で、固有名詞の使い方にも注目してみてください。