今回のフレーズは「A drowning man will clutch at a straw」です。
「A drowning man will clutch at a straw」は、直訳すると「溺れる者は藁をもつかむ」となります。
日本語でもお馴染みのこのフレーズは、極限状態にある人は、どんな小さな希望や助けでも必死に捕まろうとすることを表現しています。
例えば、「When desperate, people will grasp at anything, like a drowning man clutching at a straw.(絶望的な状況に陥ると、人は溺れる者が藁にすがるように、何にでもすがろうとする)」のように使います。また、あらゆる手段を使って何とか事業を立て直そうとするときに、「In his desperation to save his business, he’s clutching at every straw.(彼は事業を救うため必死で、ありとあらゆる手段にすがっている)」と言うこともできます。
「a drowning man will clutch at a straw」における「straw(藁, わら)」は、脆弱で実体のないものを指す比喩として使われています。つまり、絶望的な状況にある人が、どんな些細な希望でもつかもうとする様子が表れています。この慣用句の起源には諸説ありますが、一説では、イングランドの神学者であるジョン・ウィクリフ(John Wycliffe)の世界最初の英語版聖書(1382年)に起源を持つとされています。他説では、イングランドの人文主義者であるトマス・モア(Thomas More)が1534年に著した『A Dialogue of Comfort Against Tribulation(苦難に対する慰めの対話)』に由来するともいわれています。「clutch at a straw」の部分は時代とともに変化し、「grasp at straws」や「catch at straws」などの派生形も登場しています。
まとめると、「A drowning man will clutch at a straw」は、文字通り「溺れる者は藁をもつかむ」という意味で、絶望的な状況でわずかな希望にすがることを指します。このフレーズを使うことで、困難な状況において必死に希望を求める姿を表現することができます。
この「A drowning man will clutch at a straw」を使って、どんな可能性でも掴もうとする場面で活用してみてください。
実際の発音もチェックしてみてください
溺れる者は藁をもつかむ。
このシリーズでは、さまざまなことわざ・格言・慣用句・イディオムなどを紹介して解説しています。