今回のフレーズは「The cobbler always wears the worst shoes」です。
「The cobbler always wears the worst shoes」は、直訳すると「靴職人はいつも最悪の靴を履いている」となりますが、「人は自分のスキルを自分自身に適用することが難しいことがある」という意味になります。
このフレーズは、特定のスキルを持つ人が、自分自身にはそのスキルを十分に活かしていない状況を表すときに使われます。
例えば、ITエンジニアが自分のパソコンのメンテナンスを怠っている場合に、「The cobbler always wears the worst shoes.(靴職人はいつも最悪の靴を履いている)」と言うことができます。また、料理人が自分には簡単なものしか作らないときに「The chef cooks gourmet meals for others but eats simple food himself. The cobbler always wears the worst shoes.(そのシェフは他人のために美味しい料理を作るが、自分は簡単な食事をする。靴職人はいつも最悪の靴を履いている)」と言うこともできます。
使われている英単語を見てみると、「cobbler」は「靴屋」という意味の少し古い単語で、「不器用な人や職人」という意味もあります。
「The cobbler always wears the worst shoes」の由来は、かつて靴職人たちは他人のために靴を作ることに忙しく、自分自身のために靴を作る時間がなかったという逸話に基づいています。つまり、靴屋が製作した靴はあくまで売り物であり、自分や家族が履くためのものではない、ということです。このことわざは「Physician, heal thyself.(医者よ、自らを治せ/自分自身の問題をまず解決せよ)」と同じような意味を持っています。イギリスの劇作家ジョン・ヘイウッドのことわざ集(1546年)で初めて紹介され、その後広く知られるようになりました。
まとめると、「The cobbler always wears the worst shoes」は、文字通り「靴職人はいつも最悪の靴を履いている」という意味ではなく、専門家であっても自分のことは後回しにしがちだという意味のイディオムです。このフレーズを使うことで、他人のためには努力するが自分のことはおろそかにする状況を表現することができます。
この「The cobbler always wears the worst shoes」を使って、自己管理が難しい場面や他人のために尽力する場面で活用してみてください。
実際の発音もチェックしてみてください
靴職人はいつも最悪の靴を履いている。
このシリーズでは、さまざまなことわざ・格言・慣用句・イディオムなどを紹介して解説しています。