普段何気なく使っている「水道水」。英語では「tap water」と呼ぶのが一般的ですが、レストランでの注文の仕方やユニークなスラングを知ると、水に対する英語圏の生活文化やユーモアが見えてきます。
蛇口のことはアメリカ英語で「faucet」、イギリス英語で「tap」と言いますが、水道水そのものを指す場合は国を問わず「tap water」が使われます。「tap」の語源は、もともと樽の飲み口に差し込む「栓」を意味する言葉でした。そこから、ひねると水やお酒が出てくる装置全体を指すようになったのです。
海外のレストランで水を頼む際、文化の違いが顕著に表れます。単に「Water, please」と言うと、有料のボトルウォーター(炭酸の有無)を尋ねられることがよくあります。無料で飲める水が欲しい時は「Tap water is fine.(水道水で結構です)」と明確に伝えるのが日常的なルールとなっています。
また、「tap」を使った便利な慣用句に「on tap」があります。もともとはビールなどが「樽からいつでも注げる状態」を意味しますが、日常会話では「いつでも利用できる」「準備できている」という意味で使われます。「We have a lot of data on tap.(いつでも出せるデータがたくさんある)」のように、ビジネスシーンでも活躍する表現です。
イギリスならではの面白いスラングには「council pop(水道水、直訳:市役所のジュース)」という言葉があります。「council」は地方自治体、「pop」は炭酸飲料のこと。つまり「水道管から出てくる、市が提供する無料のジュース」という、なんともイギリスらしい皮肉が詰まった呼び方です。
文法的な特徴として、「water」は数えられない名詞(不可算名詞)です。そのため「水道水を一杯ください」と言いたい時は、「a glass of tap water」と容器の単位を使って表現します。
このように、英語の「水道水」は単なる生活用水の名称にとどまらず、レストランでのリアルなやり取りや、言葉遊びを生み出しています。身近な「水」をめぐる表現にも、文化の違いや歴史が反映されているのが面白いですね。
