日本の食卓に欠かせない「大根」。英語で表現する際、かつては「Japanese radish」や「white radish」と呼ばれるのが一般的でしたが、最近では日本食ブームの影響もあり、そのまま「daikon」や「daikon radish」で通じる機会が増えています。
そもそも英語圏で「radish(ラディッシュ)」と言うと、サラダなどに入っている小さくて丸い赤い「二十日大根」を指すのが一般的です。そのため、日本の白くて大きな大根を見た人々は、区別するために「日本のラディッシュ」や「白いラディッシュ」と呼んでいました。ちなみに「radish」の語源は、ラテン語で「根」を意味する「radix」です。日本語の「大根(大きな根)」と発想が全く同じなのは、非常に面白い共通点ですね。
大根にまつわる日本語のユニークな比喩表現は、英語ではどうなるのでしょうか。例えば、太い足をからかう「大根足」という言葉ですが、そのまま「daikon legs」と言っても通じません。英語では、どっしりとした太い足を「piano legs(ピアノの脚)」と表現することがあります。文化が変われば、例えられる対象も変わる良い例です。
また、演技の下手な役者を「大根役者」と呼びますが、英語では「ham actor」、あるいは単に「ham」と表現されます。この由来は諸説ありますが、かつて貧しい三流役者が、舞台用のメイクを落とすために安いハムの脂を使っていたから、という説が有名です。どちらも身近な食べ物に由来している点は似ていますが、選ばれる食材に日欧の食文化の違いが色濃く表れています。
文法的な使い方としては、スーパーなどで丸ごと一本の大根を指す場合は、数えられる名詞として「a daikon」と表現します。しかし、おろし大根(grated daikon)や、切って料理に入っている状態の大根は、決まった形がないものとして数えられない名詞(不可算名詞)として扱われる点に注意が必要です。
このように、身近な野菜である「大根」一つをとっても、英語圏における野菜のイメージの違いや、比喩表現の文化的な差を楽しむことができます。スーパーで大根を見かけた際には、ぜひこの「大きな根」にまつわる英語の雑学を思い出してみてください。
