英語で「質問」といえば「question」が最もおなじみですが、その語源や独特な慣用句を紐解くと、英語圏の人々が「疑問を持つこと」をどのように捉えているかが見えてきます。
「question」という単語は、ラテン語で「求める・探求する」を意味する「quaerere」が語源です。実は、RPGゲームなどでおなじみの、冒険や探求を意味する「quest(クエスト)」と同じ語源を持っています。つまり、英語において質問をするということは、単に分からないことを聞く行為にとどまらず、「知識を求めて探求の旅に出る」という非常にポジティブでアクティブなニュアンスを含んでいるのです。
場面に応じた使い分けも重要です。日常的な質問には「question」を使いますが、ビジネスシーンでの正式な問い合わせや調査には「inquiry(または enquiry)」が好まれます。また、データベースへの検索や、よりピンポイントな疑問を指す「query」という言葉も、IT分野やビジネスメールでよく見かける表現です。
「question」を使ったユニークな慣用句も存在します。代表的なのが「pop the question」です。直訳すると「質問をポンと出す」ですが、実は「プロポーズする」という意味で使われます。人生における最大の「質問」だからこそ、特定の質問を指す「the」が使われているのが面白いところです。一方で「out of the question」という表現は、「議論の余地がない、絶対に不可能(論外)」という意味になります。質問することすらできないほどあり得ない、という強い拒絶を表す際によく使われます。
文法的な使い方としては、日本語につられて「質問を聞く(hear a question)」と言ってしまいがちですが、英語では「ask a question(質問を尋ねる)」が正しい組み合わせ(コロケーション)となります。また、会議の最後に「質問はありますか?」と聞く際、通常は「Do you have any questions?」と聞きますが、あえて「Do you have some questions?」と聞くことで、「(顔を見ると)何か聞きたいことがありそうですね?」と、相手の発言を優しく促すようなニュアンスを持たせることもできます。
このように「質問」という言葉の裏には、知識への探求心(quest)から人生の重大な決断まで、様々なドラマが隠されています。次に英語で「I have a question.」と手を挙げる時は、少しだけ冒険に出るようなワクワク感を感じてみてはいかがでしょうか。
