英語と日本語を比べると、「どこまで言葉で説明するか」に大きな違いがあります。
英語は基本的に、とても明示的です。主語や時制を省くことはなく、「誰が」「いつ」「何をしたか」を文の中ではっきりさせます。たとえば「I will call you tomorrow.」と言えば、誰が電話するのか、いつするのかが明確です。
一方、日本語は文脈や相手との関係に大きく依存します。「明日、電話するね」とだけ言えば、主語も目的語も省略されているのに自然に理解されます。場合によってはや「明日ね」と一言で済んでしまうこともあります。
この言わなくても伝わる仕組みは、日本語の大きな特徴です。しかし、英語に慣れた人からすると「主語がないのにどうして分かるの?」と不思議に感じられます。逆に日本語話者が英語を学ぶときには、「なぜこんなに毎回Iやyouをつけるんだろう」と違和感を覚えることも多いですよね。
また、敬語や婉曲表現も曖昧さを強めます。「ちょっと考えてみます」は、本当に考える場合もあれば、やんわり断っている場合もあります。英語だと「I’ll think about it.(考えてみます)」はほぼ文字通りの意味で受け取られるため、ニュアンスが違ってしまうのです。
つまり、英語は言葉にして明確に伝える文化、日本語は言わずに感じ取ってもらう文化だと言えます。どちらが優れているというよりも、考え方のスタイルが違うのが、面白いですね。
