英語に性別がないのはなぜ?

スポンサーリンク

フランス語やスペイン語、ドイツ語を学んだことがある人は、「名詞に性別があるのって大変!」と思ったことがありますよね。たとえばフランス語やスペイン語では「太陽」は男性名詞、「月」は女性名詞。ところが英語には、名詞にそうした性別の区別がありません。なぜなのでしょうか。

実は、古い英語には性別がありました。古英語(およそ5世紀〜11世紀ごろ)では、名詞が「男性」「女性」「中性」に分かれていたんです。たとえば「stone(石)」は男性名詞、「sun(太陽)」は女性名詞、「child(子ども)」は中性名詞でした。現代ドイツ語と同じ仕組みですね。

ところが、中英語(11世紀〜15世紀)にかけて大きな変化が起こります。ノルマン・コンクエストによってフランス語が大量に入ってきたり、語尾の発音が弱まったりした結果、名詞の語形変化がどんどん簡略化されていきました。そうして「性別の区別がなくても意味が通じるなら、なくてもいいよね」という方向にまとまっていったのです。

その代わり、英語は「語順」に頼る言語へと進化しました。たとえば「The dog bites the man」と「The man bites the dog」では、語順が変わるだけで意味が逆転します。性別や語形の変化を手がかりにする代わりに、語順が正確さを担保する仕組みになったんですね。

とはいえ、性別の名残が完全に消えたわけではありません。船や国を「she」と呼ぶ表現はその痕跡ですし、「actor/actress」のように人に性を反映させる単語も残っています。ただし現代ではジェンダーの観点から「actress」より「actor」が好まれるなど、再び変化の途中にあります。

英語に性別がないのは不自然なのではなく、むしろ歴史の結果として「合理的にシンプルになった」と言えるのかもしれません。言語はいつも、その時代に合った形へと変わっていくと考えると、おもしろいですよね。

スポンサーリンク
英語学習におすすめの本

英語学習におすすめの本を紹介します!

大岩のいちばんはじめの英文法』は、英語の基礎をしっかり固めたい方にぴったりの一冊です。中学レベルからの超基礎文法を、講義形式でわかりやすく解説。初心者でも安心して学べる内容で、受験やTOEIC、英検にも対応しています。巻末の索引も便利で使いやすいです。➡詳しく見る

「金フレ」として知られる『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ』は、最も定番のTOEIC対策書です。シンプルで効率的に単語を学ぶことができ、日常的な英語力の向上にも役立ちます。初心者から上級者まで幅広いレベルに対応しており、何度も繰り返し使えるので復習にも最適です。➡詳しく見る

英語耳』(英語耳 発音ができるとリスニングができる)は、英語のリスニング力を向上させたい方向けの本です。英語の音の変化や発音のポイントを理解することで、リスニングスキルを高めることができます。ネイティブが実際に使う音の連結や省略、イントネーションを学べるため、リスニングだけでなくスピーキングにも役立ちます。英語の「音」に慣れたい方向けの一冊です。➡詳しく見る

一億人の英文法』(一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法)は、英文法を「感覚」や「イメージ」で学べる本。理論的な説明ではなく、ネイティブスピーカーの直感的な感覚に基づいた解説が特徴です。実際の会話で役立つ文法を学べるため、英語を「話すため」の文法を重視している方に最適です。学習者に親しみやすい口語体で、堅苦しくなく、楽しく進められます。➡詳しく見る

🔎 Amazonで「英語 参考書」を検索する

コラム・雑記
\ シェアする /
タイトルとURLをコピーしました