英語と日本語を比べると、「ここを強く言いたい!」というときの表現方法がずいぶん違います。
英語では語順や助動詞を使って強調することが多いです。たとえば「I did see him yesterday.」のように「do」を加えると、「本当に会ったんだよ」というニュアンスが出ます。また、「It was yesterday that I saw him.」のような構文を使えば、「昨日だったんだ」と場所や時間を際立たせられます。言葉の形そのものを変えて強調するのが英語の特徴です。
一方、日本語ではイントネーションや言い回しで強調することが多いです。「昨日、本当に会ったよ」「昨日こそ会ったんだ」のように、副詞や助詞を工夫して伝えます。あるいは「会ったんだってば!」と語尾に気持ちを込めることで強さを表現できます。
また、英語は書き言葉でも強調がよく使われます。大文字にしたり、イタリックにしたりするのもその一つです。日本語でも「!」や「〜」を使って感情を強めますが、文法上の仕組みとして強調を作るというより、表現の工夫に頼ることが多いイメージがあります。
つまり、英語は「文の形を操作して強調する」言語、日本語は「ニュアンスや言い回しで強調する」言語だと言えるのではないでしょうか。どちらの方法も、それぞれの文化に合った伝え方として発達してきたのかもしれませんね。