英語の「Wednesday(水曜日)」、実は読み方と綴りがずいぶん違うので、初学者にはちょっとややこしい単語ですよね。発音は「ウェンズデイ」なのに、なぜ「d」が入っているのでしょうか。
語源をたどると、「Wednesday」は「Woden’s day(ウォーデンの日)」がもとになっています。Woden(ウォーデン、オーディン)は北欧神話の主神で、知恵や魔法を司る存在です。ゲームや創作でもよく見かける名前ですよね。つまり水曜日は「オーディンの日」だったんです。途中で音が変化し、現在の綴りと発音のズレが生まれました。
この「神の名が曜日になる」というパターンは、ラテン語系の言語でも見られます。フランス語の「mercredi」、スペイン語の「miércoles」は、ローマ神話の神メルクリウス(Mercury=商業や知恵の神)から来ています。オーディンとメルクリウスは直接の関係はないものの、どちらも「知恵」や「言葉」とつながる神様です。文化が違っても、不思議と対応する神が選ばれているんですね。
日本語の「水曜日」は、古代中国の五行思想がもとで「水」の要素があてられています。火曜日の「火」と同じく、自然界の力を曜日に結びつけた形です。西洋では神様、東洋では自然の元素、と表現方法は違いますが、どちらも人々が生活や宇宙を理解するための工夫なんですね。
「Wednesday」はちょっと綴りに悩まされる単語ですが、その背景には神話や文化がたっぷり詰まっています。オーディンやメルクリウスに思いを馳せながら、「知恵を使う日」として過ごしてみるのも面白いかもしれませんね。