日本語の「履歴書」にあたる英語の言葉は「resume(レジュメ)」と「CV(curriculum vitae)」の2つがあります。どちらも職歴や学歴をまとめた文書ですが、使われる国や目的によって少し違いがあります。
アメリカでは一般的に「resume」が使われます。1〜2ページ程度に簡潔にまとめたもので、応募する仕事に関連する経験やスキルを中心に書きます。たとえば「Resume for Marketing Position(マーケティング職用の履歴書)」のように、職種ごとに内容を調整するのが普通です。
一方、イギリスやヨーロッパでは「CV(curriculum vitae)」が主に使われます。こちらはもう少し詳しく、自分の学歴・職歴・資格・研究活動などを網羅的にまとめた形式です。学術関係や専門職では、何ページにもわたることもあります。
面白いのは、日本の「履歴書」と英語の「resume / CV」では目的や文化が少し異なる点です。日本では形式がほぼ決まっており、手書きを好む企業もありますが、英語圏では自由なレイアウトで、自分をどう印象づけるかが重視されます。写真を添付しないのも一般的で、性別や年齢、住所といった個人情報はあまり書きません。
また、履歴書と一緒に「cover letter(カバーレター)」を提出するのが英語圏の習慣です。これは応募の動機や自己アピールを伝える手紙のような文書で、「履歴書は自分の経歴を説明するもの」「カバーレターは自分の思いを伝えるもの」と考えるとわかりやすいですね。
つまり、英語での「履歴書」は単なる経歴の一覧ではなく、「自分をどう表現するか」というコミュニケーションの一部になっています。フォーマットにとらわれず、自分らしさを伝える工夫が求められる点が、日本との大きな違いかもしれませんね。
