「略称」とは、正式な名前を短くした呼び方を指します。英語では主に「abbreviation(アブリビエイション)」や「acronym(アクロニム)」という言葉が使われますが、この2つには少し違いがあります。
「abbreviation」は一般的な「省略形」を意味します。たとえば「Dr.(Doctor)」「Feb.(February)」のように、単語を短く書いた形がこれにあたります。文書やメールなど、日常的によく使われる表現です。
一方「acronym」は、いくつかの単語の頭文字を取って新しい単語のように読む略称のことです。たとえば「NASA(National Aeronautics and Space Administration)」や「UNESCO(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)」などが代表例です。これらは一文字ずつ読むのではなく、ひとつの単語のように発音します。
似たようなものに「initialism(イニシャリズム)」という言葉もあります。これは「BBC」や「FBI」のように、頭文字を一つずつ読むタイプの略称です。「acronym」との違いは発音のしかたにあります。つまり、「acronym」は読むときにつながりのある音になり、「initialism」は一文字ずつ読むという区別です。
日常会話では「abbreviation」が最も広く使われます。「What’s the abbreviation for that word?(その単語の略は何?)」のように聞けば、どんな場面でも通じます。
英語は略称がとても多い言語です。ニュースやSNS、職場のメールなどでも「ASAP(as soon as possible)」「DIY(do it yourself)」のような略語が頻繁に登場します。
略称は慣れるまで少し大変ですが、意味を知ると背景の文化や言葉のセンスが見えてきます。ひとつひとつの「短い言葉」に、意外と長い物語が詰まっているのかもしれませんね。
