「ハエ」は英語で「fly」と言います。とても短く覚えやすい単語ですが、動詞としても「飛ぶ」という意味を持っています。つまり、「a fly(ハエ)」と「to fly(飛ぶ)」は同じ単語なんですね。「There’s a fly in the room(部屋にハエがいる)」というように使います。
日常でよく聞くのは、「fly is buzzing(ハエがブンブン飛んでいる)」という表現です。「buzz」という音の動詞は、まさにハエやハチの羽音を表しています。
ちなみに「fly」は一匹だけを指す単数形で、複数になると「flies(フライズ)」になります。「many flies(たくさんのハエ)」という具合ですね。このとき、「y」が「i」に変わるという英語のつづりのルールも見られます。
また、英語では「fly」が比喩として使われることもあります。「on the fly」と言えば、「その場ですぐに」「臨機応変に」という意味です。たとえば「He made a decision on the fly(彼は即座に決断した)」のように使います。虫とはまったく関係ありませんが、「すぐに動く」というイメージから生まれた表現です。
もうひとつ面白いのは、「fly on the wall」という言い回し。直訳は「壁のハエ」ですが、意味は「こっそり見聞きしている人」。たとえば「I wish I could be a fly on the wall when they talk(あの人たちが話すとき、そっと聞いてみたい)」というふうに使います。
このように、「fly」は単なる虫の名前にとどまらず、英語の中で多くの表現を生み出しています。身近で少し厄介な存在ですが、言葉としては意外に奥深いですね。
