カプリッチョの意味や語源とは|天然パーマは気まぐれ?

カール

カプリッチョ(他にもカプリッチオ、カプリチョーソなど)といえば何を思い浮かべますか?

  • 音楽好きなら、音楽形式の1つの奇想曲「カプリッチョ
  • 美術好きなら、風景画の1つの奇想画「カプリッチョ
  • オペラ好きなら、リヒャルト・シュトラウス作曲『カプリッチョ
  • クイズ好きなら、クイズ作家集団のYouTubeチャンネル「カプリティオ
  • ピザピッツァ好きなら、イタリアレストラン「カプリチョーザ
  • 言語好きなら、そのまま「気まぐれ」という意味

などがあるでしょうか。

実はカプリッチョ(capriccio)の語源をさかのぼってみると「天然パーマ」という言葉にたどりつきます。

ちなみに他の言語で「気まぐれ」を何というのかを見てみると、

「気まぐれ」の外国語

英語:caprice, capricious
イタリア語:capriccio, capriccioso
フランス語:caprice, capricieux
スペイン語:capricho, caprichoso
オランダ語:capriool, grillig
ポルトガル語:capricho, caprichoso
ルーマニア語:capriciu, capricios
ポーランド語:kaprys, kapryśny

参照:caprice, capricious – Wiktionary

などとなります。左が名詞、右が形容詞です。スペリングも意味もほとんど同じですね。特に、イタリア語と同じロマンス諸語に属するスペイン語やポルトガル語はかなり似ています。

英語のcaprice(カプリス)はイタリア語のcapriccio(カプリッチョ)ではなく、フランス語のcaprice(カプリス)と同じスペルですが、16~17世紀頃にフランス語を経由して伝わったことが要因です。

参照:caprice (n.) – Etymonline

イタリア語のcapriccioにはどのような意味があるのでしょうか。単語を分解してみると、capoは「頭、頭髪」、riccioは「巻き毛、カール、縮れ毛」などの意味があります。そのため、イタリア語のcapriccioを文字通り解釈すると「巻き毛の頭、天然パーマ」という意味になります。

capo (頭) + riccio (巻き毛) = capriccio (巻き毛の頭、気まぐれ)

「巻き毛の頭」が「気まぐれ」という意味になった理由には諸説ありますが、昔は「巻き毛の人は手に負えない性格」だと信じられていたからだと言われています。もちろん、髪の毛で人の性格が決まる訳ではないので、あくまで「そう思われていた」という印象の話です。

巻き毛 → 髪の毛がボサボサ → 見た目を気にしない → 我が強い、マイペース → 手に負えない → 気まぐれ

このような解釈の流れがあったようですね。

創作の世界では、見た目のイメージに理由をつけるとキャラが立って分かりやすいので、髪型にキャラのイメージを反映させることがあるかもしれませんね。漫画の場合ですと、ジャンプ系ばかりですが、Hunter×Hunterのキルア、銀魂の坂田銀時なんかは「くせ毛×気まぐれ」というイメージがあるような気がします。

さて、カプリッチョの語源ですが、諸説あるので必ずしも定説というわけではありません。

Etymonlineによれば、巻き毛の説以外にも、「恐怖、震え、ハリネズミ、野生のヤギ」などの言葉が関連しているそうです(参照)。

諸説がありますが、少なくとも人間や動物などの毛質が関係しているのは確かのようです。

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