日本において春の風物詩とも言える「受験」。英語でこれを表現する場合、直訳的な単語だけでなく、入試システムの違いを反映した独特な言葉選びが必要になります。
一般的に入学試験は「entrance examination」と言いますが、実際の会話では単に「exam」や、プロセス全体を指して「admissions(入学許可・入学者選抜)」と呼ぶことが多いです。これは、一発勝負のペーパーテストが主流の日本に対し、欧米では内申点やエッセイ、課外活動などを総合的に評価する傾向が強いためです。
日本独自の文化である「塾」や「予備校」は、英語で「cram school」と表現されます。「cram」には「(狭い場所に)詰め込む」という意味があり、短期間で知識を頭に詰め込んで試験に備える場所、というニュアンスが含まれています。日本の受験勉強の激しさは海外でも有名で、そのまま「Juku」で通じる場合もあるほどです。
受験勉強に励む様子を表す慣用句も多彩です。例えば「hit the books」。これは「本を叩く」ではなく、「猛勉強する」という意味です。また、夜遅くまで勉強することを「burn the midnight oil」と言います。電気がなかった時代、夜なべをするために貴重な油を燃やして明かりをとっていたことに由来する、歴史ある表現です。
見事合格した際に使いたいのが「pass with flying colors」というフレーズ。「大成功で合格する」「余裕で受かる」という意味ですが、この語源は大航海時代に遡ります。戦いに勝利した船が、マストに旗(colors)を高く掲げて(flying)凱旋した様子から、勝利や成功を表す言葉として定着しました。
注意したいのが、「試験に挑戦する」と言いたい時です。日本語の感覚で「challenge the exam」と言うと、英語では「試験(の採点や正当性)に異議を申し立てる」と誤解される恐れがあります。受験する場合は、シンプルに「take an exam」や、イギリス英語では「sit for an exam」を使うのが正解です。
このように、「受験」にまつわる英語を見ていくと、単なる試験の名称だけでなく、学習スタイルや歴史的背景、さらには日本との文化的な違いまでもが浮かび上がってきます。受験シーズンにこれらの表現を思い出してみると、英語学習が少し楽しくなるかもしれません。
