所有形容詞（possessive adjective）とは、所有を表す形容詞のことです。英語では名詞の前に置いて、その名詞が誰のものかを表します。この記事では、所有形容詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
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所有形容詞とは何か？
所有形容詞（possessive adjective）は、所有を表す形容詞の一種です。日本語の「私の」「あなたの」にあたります。英語では名詞の前に置いて、その名詞が誰のものかを表します。
英語の所有形容詞には以下の7つがあります。
- my（私の）
- your（あなたの）
- his（彼の）
- her（彼女の）
- its（それの）
- our（私たちの）
- their（彼ら／彼女らの）
たとえば、「my book（私の本）」「your name（あなたの名前）」のように、所有者を表したい名詞の前に置いて使います。
英語の所有形容詞は、以下のように主語によって変化します。
| 主語 | 所有形容詞 | 例 |
|---|---|---|
| I（私） | my | my bag（私のかばん） |
| you（あなた） | your | your name（あなたの名前） |
| he（彼） | his | his bike（彼の自転車） |
| she（彼女） | her | her house（彼女の家） |
| it（それ） | its | its tail（それのしっぽ） |
| we（私たち） | our | our team（私たちのチーム） |
| they（彼ら） | their | their teacher（彼らの先生） |
所有形容詞の使い方や注意点とは？
ここでは、所有形容詞の使い方や注意点を解説します。
名詞の前に置き、単独では使えない
所有形容詞は、名詞の前に必ず置かれます。
- This is my pen.
これは私のペンです。 - That is their house.
あれは彼らの家です。
名詞とセットで使われるのがポイントで、単独では使えません。
- 正）This is my pen.（○）
→ 「my」は「pen」の前に置かれます - 誤）This is my.（✖）
→「my」だけでは意味が通じません
日本語では「これは私の！」と言えますが、英語では「This is mine（これは私のもの）」のように、所有代名詞（mine, our, yourなど）を使います。
所有形容詞と所有代名詞の違い
所有形容詞（my, your, herなど）と所有代名詞（mine, yours, hersなど）は似ていますが、意味も使い方も異なります。
所有代名詞は、名詞の代わりに単独で使い、「〜のもの」を表します。名前の通り、代名詞として機能します。英語の所有代名詞は「mine, yours, his, hers, ours, theirs」です。
所有形容詞は、名詞の前に置いて、「誰の〜」という所有を表します。名前の通り、形容詞のように名詞を修飾します。英語の所有形容詞は「my, your, his, her, its, our, their」です。
それぞれの違いを例文で比較してみましょう。
| 所有形容詞 | 所有代名詞 |
|---|---|
| This is my book. これは私の本です。 |
This book is mine. この本は私のものです。 |
| Are these your bags? これらはあなたたちのかばんですか？ |
Are these bags yours? これらのかばんはあなたたちのものですか？ |
| That is his car. あれは彼の車です。 |
That car is his. あの車は彼のものです。 |
| I like her dress. 私は彼女のドレスが好きです。 |
The dress is hers. そのドレスは彼女のものです。 |
| This is our house. これは私たちの家です。 |
This house is ours. この家は私たちのものです。 |
| Those are their cars. あれらは彼らの車です。 |
Those cars are theirs. あの車は彼らのものです。 |
まとめると、所有形容詞は名詞の前に使い、所有代名詞は名詞の代わりに使います。
「its」と「it’s」の違い
所有形容詞の「its（それの）」と、「it’s（＝ it is）」は混同しやすいので注意が必要です。
「its」は「それの」を意味する所有形容詞で、名詞の前に置いて所有を示します。たとえば、「The cat is moving its tail.（その猫はしっぽを動かしている）」のように使います。
一方、「it’s」は「it is」または「it has」の短縮形で、所有を表すものではありません。たとえば、「It’s raining.（雨が降っています）」のように使います。
以下のような誤用には注意しましょう。
- 正）The cat is moving its tail.（○）
→ その猫はしっぽを動かしている。 - 誤）The cat is moving it’s tail.（✖）
→ 直訳すると「その猫は”それはしっぽ”を動かしている」になり、不自然です。
「its」と「it is」や「it has」の短縮形「it’s」の混同には注意しましょう。
「its」は人以外に使う所有形容詞
「its」は、性別や人数が関係ない物や動物の所有を表す所有形容詞で、人には通常使いません。人に対しては、性別や複数形に合わせて「his」「her」「their」を使います。
以下は「its」を使った例です。
- The cat licked its paw.
猫は足をなめた。 - The company changed its policy.
会社は方針を変えた。
動物の場合は、親しみを込めて「he」や「she」を使うこともありますが、一般的には「it」や「its」が使われます。
人に「its」を使うと少し不自然になるので気をつけましょう。
所有形容詞と人称代名詞の所有格
所有形容詞と人称代名詞の所有格（possessive case）は、形は同じ（my, your, his, her…）ですが、文法上の性質や働きが異なります。
所有格は、人称代名詞（I, you, he, she…）の形の変化（語形変化）としての用語で、「I → my」「you → your」のように、所有を示す形に変わることを指します。
所有形容詞は、文中での役割（機能）に注目した呼び方で、これらの単語が名詞の前に置かれて、その名詞を修飾（形容詞のように働く）することを指します。
- 所有格：語形変化という文法的な観点
「I → my」「you → your」のような変化を指す - 所有形容詞：文中の役割という機能的な観点
「my cat」のように「my」が「cat」を修飾する働きを指す
つまり、形は同じでも、文法的な捉え方が違うということですね。
まとめ
この記事では、所有形容詞の意味と使い方について解説しました。
所有形容詞は、名詞の前に置いて「誰のものか」を示す重要な品詞です。主語に応じた形を覚えておくことで、英語の会話や文章作成がよりスムーズになります。また、所有代名詞（例：mine, yours）との違いにも注意が必要です。所有形容詞は名詞を直接修飾しますが、所有代名詞は名詞の代わりに使われる点がポイントです。英語の基礎として、所有形容詞の使い方をしっかり身につけておくことは、自然で正確な表現力を高めるために非常に大切です。
