二重目的語(double object)とは、動詞のあとに2つの目的語をとる構文のことです。英語の基本的な文型の1つで、「give」や「send」など、特定の動詞でのみ使われます。この記事では、二重目的語の意味や使い方をわかりやすく解説します。
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二重目的語とは何か?
二重目的語(double object)とは、動詞のあとに2つの目的語をとる構文のことです。
典型的な語順は「主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」で、第4文型(SVOO)とも呼ばれます。
たとえば、次の文をみてみましょう。
- She gave me a gift.
彼女は私にプレゼントをくれた
この文では、「me」が間接目的語で、「a gift」が直接目的語です。動詞のあとに2つの目的語が並ぶ、典型的な二重目的語の例です。
このような構文は、「誰かに何かをする」のような特定の動詞(give, teach, sendなど)でよく使われます。二重目的語をとる動詞は「二重他動詞(ditransitive verb)」と呼ばれます。
要点を以下にまとめました。

それでは、詳しくみていきましょう。
二重目的語の文型と語順
二重目的語の文には、以下の2通りの語順があります。
間接目的語 + 直接目的語
二重目的語は、「間接目的語 + 直接目的語」の語順が基本です。
- I sent her a letter.
私は彼女に手紙を送った。
この文では、「her」が間接目的語(人)で、「a letter」が直接目的語(物)です。
直接目的語 + 前置詞 + 目的語
二重目的語は、「直接目的語 + 前置詞 + 目的語」の語順になることもあります。前置詞には「to」や「for」が使われます。
- I sent a letter to her.
私は手紙を彼女に送った。
この文では、「a letter」が直接目的語、「to her」が間接目的語に相当します。
「to」と「for」を使う動詞の違い
「直接目的語 + 前置詞 + 目的語」の構文で使う前置詞(to か for)は、動詞によって決まります。
「to」を使う動詞
「何かを相手に向かって移動させる」ような意味を持つ動詞では「to」を使います。
- give(与える)
- send(送る)
- show(見せる)
- teach(教える)
- tell(伝える)
- offer(申し出る)
例文をみてみましょう。
- I gave a book to her.
私は彼女に本をあげた - She showed the picture to me.
彼女はその絵を私に見せた
「for」を使う動詞
「相手のために何かをしてあげる」という意味を含む動詞では「for」を使います。
- buy(買ってあげる)
- make(作ってあげる)
- cook(料理してあげる)
- find(見つけてあげる)
- get(取ってあげる)
例文をみてみましょう。
- He bought a coffee for me.
彼は私にコーヒーを買ってくれた) - She made a cake for him.
彼女は彼のためにケーキを作った
「to」と「for」の使い分けのポイント
「to」と「for」の使い分けは、前置詞のイメージで区別しましょう。
- to = 方向性を表す。「〜へ」「〜に向かって」
- for = 目的や利益を表す。「〜のために」
前置詞を間違えると不自然な英語になることがあるので、動詞と前置詞の組み合わせごとに覚えるのが効果的です。

前置詞「to」と「for」の選び方にも注意しましょう。

よく使われる二重目的語をとる動詞
二重目的語をとることができる動詞は、二重他動詞(ditransitive verb)と呼ばれます。これらの動詞は、「人に物を与える・伝える・作る」といった意味を持っています。
以下のような動詞がよく使われます。
- give(与える)
She gave him a book.
She gave a book to him.
(彼に本をあげた) - tell(伝える)
He told me the truth.
He told the truth to me.
(彼は私に真実を伝えた) - send(送る)
I sent her an email.
I sent an email to her.
(私は彼女にメールを送った) - buy(買う)
They bought their son a toy.
They bought a toy for their son.
(彼らは息子におもちゃを買った) - teach(教える)
She taught us English.
She taught English to us.
(彼女は私たちに英語を教えた)
これらの動詞は「S + V + 間接目的語 + 直接目的語」という形でも、「S + V + 直接目的語 + to/for + 目的語」という形でも使われます。
注意点として、すべての動詞が二重目的語をとれるわけではありません。たとえば、「explain, describe, suggest, recommend」などの動詞は二重目的語構文にできず、「to + 人」の形をとります。
- 誤:He explained me the rule.(×)
- 正:He explained the rule to me.(○)
このような動詞には前置詞を使った構文が必要です。

「to」か「for」のどちらを使うかは、1つ前の「to/forを使う動詞の違い」を確認してください。
二重目的語を使う際の注意点
二重目的語を使う際の注意点をまとめました。
- 二重目的語の基本的な語順は「主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」
- 間接目的語が代名詞の場合、通常は動詞の直後に置く。
○ She gave me a present.
× She gave a present me.
○ She gave a present to me. - 前置詞を使う場合、語順は「物 + to/for + 人」
○ He bought a coffee for me. - 動詞によって使う前置詞が決まる。
to を使う動詞:give, send, tell…
for を使う動詞:buy, make, get… - 二重目的語をとれる動詞は限られている。
例:give, send, tell, pass, teach, make…
× He explained me the rule.
○ He explained the rule to me.
まとめ
この記事では、二重目的語の意味と使い方について解説しました。
二重目的語とは、動詞のあとに「間接目的語」と「直接目的語」の2つの目的語をとる構文のことです。英語では「誰に・何を」の順で使われることが多く、特定の動詞と一緒によく使われます。英語のリスニングやスピーキング力を伸ばすためにも、ぜひこの構文をしっかりと身につけておきましょう。