日本語で「腕」と言うと、肩から手首まで全体を指すこともあれば、「腕がいい」のように能力を表す比喩でも使われます。英語では文脈に応じて言葉を使い分ける必要があります。
まず体の部位としての「腕」は「arm」です。「He raised his arm(彼は腕を上げた)」のように使います。複数形は「arms」で、両腕を指すときに使います。ただし「arms」には「武器」という全く別の意味もあるので、文脈で判断が必要です。
「forearm」は「前腕」、つまり肘から手首までの部分を指します。「upper arm」は「上腕」で、肩から肘までを意味します。筋肉の話やトレーニングの文脈では、こうした細かい区別がよく登場します。
比喩的な表現も豊富です。「to give someone a hand(手を貸す)」に似て、「to lend someone a hand」は助けることですが、「to give your right arm for~」と言うと「~のためなら大事なものを差し出すほどだ」という強い気持ちを表します。また「arm in arm」は「腕を組んで」という意味で、親しい人と歩くときに使われます。
さらに、「arm」には「権力を及ぼす範囲」という比喩もあります。「the long arm of the law」は「法の長い腕」、つまり「法律の力はどこまでも及ぶ」という表現です。
英語の「arm」は単なる体の一部としてだけでなく、力やつながりを象徴する言葉としても使われています。日本語の「腕」と同じように、具体から抽象まで幅広く使われるところが面白いですね。
