「塩」は英語で「salt」と言います。料理をするときに「a pinch of salt(ひとつまみの塩)」や「add some salt(塩を加える)」といった形でよく使われます。とても基本的な単語ですが、実は「salt」には面白い使われ方がたくさんあります。
たとえば慣用表現。「take it with a grain of salt」というフレーズがあります。直訳すると「塩の粒と一緒に受け取る」ですが、意味は「話を鵜呑みにしないで、ほどほどに聞いておく」。誰かの話を100%信じるのではなく、「話半分にね」というニュアンスです。
また、人を表すときにも使われます。「He is the salt of the earth」と言えば、「彼は素朴で誠実な人」という意味。聖書由来の表現で、今も日常でたまに使われます。
さらに、歴史的にも塩はとても重要でした。かつて塩は保存食に欠かせない貴重品で、英語の「salary(給料)」という言葉も「塩(salt)」に由来しています。古代ローマでは兵士に塩を支給していたことがあり、その名残が「salary」になったそうです。
つまり「salt」は単なる調味料の名前にとどまらず、英語の中で文化や歴史を映す言葉でもあります。料理中の一言から比喩的な表現まで、意外と奥が深い単語なんですね。普段の会話で「salt」に出会ったら、「これは調味料? それとも比喩?」とちょっと立ち止まってみると、新しい発見があるかもしれません。
  
  
  
  