不定代名詞(indefinite pronoun)とは、特定の人や物ではなく、漠然とした対象を指す代名詞のことです。英語では「someone」「anything」「everybody」などが不定代名詞にあたります。この記事では、不定代名詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
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不定代名詞とは何か?
不定代名詞(indefinite pronoun)とは、特定の人や物ではなく、不特定なあいまいな対象を指す代名詞のことです。
たとえば、以下のような単語が不定代名詞にあたります。
- someone(誰か)
- anything(何か)
- everyone(みんな)
- nothing(何もない)
代名詞は名詞の代わりに使う単語のことで、「I」「He」「It」「What」などさまざまな単語が含まれます。その中でも、不定代名詞は「不特定の漠然としたもの」を指します。
例文も見てみましょう。
- Someone is at the door.
誰かがドアのところにいる。 - I didn’t eat anything.
私は何も食べなかった。

不定代名詞は、対象が不明なときや、特定しなくてもよいときに便利な表現です。
不定代名詞の種類
英語の不定代名詞は「人」「物」「場所」の3つに分けて覚えるとわかりやすいです。これらは語尾(接尾辞)によって見分けることができます。
- 「-one」「-body」…人を表す
- 「-thing」…物を表す
- 「-where」…場所を表す
「人」を表す不定代名詞
「-one」または「-body」が語尾につくと「人」を表す不定代名詞になります。
- everyone / everybody:みんな
例:Everybody is here.(みんなここにいる) - someone / somebody:誰か
例:Someone called you.(誰かがあなたに電話した) - anyone / anybody:誰か
例:Did anybody see my bag?(誰か私のカバン見た?) - no one / nobody:誰も〜ない
例:No one knows the answer.(誰も答えを知らない。)
「みんな」「誰か」「誰も〜ない」などを表します。
「-one」と「-body」の意味はほとんど同じですが、「-one」はフォーマルな場面で、「-body」はカジュアルな場面でよく使われます。

「any~」で始まる不定代名詞は、主に疑問文や否定文で使われます。
「物」を表す不定代名詞
「-thing」が語尾につくと「物」を表す不定代名詞になります。
- everything:すべてのもの
例:Everything is ready.(すべて準備ができている) - something:何か
例:I heard something strange.(何か変な音を聞いた) - anything:何か
例:Do you want anything to drink?(何か飲み物はいりますか?) - nothing:何も〜ない
例:There is nothing in the box.(箱の中には何もない)
「すべて」「何か」「何も〜ない」などを表します。
「場所」を表す不定代名詞
「-where」が語尾につくと「場所」を表す不定代名詞になります。
- everywhere:どこでも
例:I looked everywhere.(私はどこでも探した) - somewhere:どこか
例:Let’s go somewhere quiet.(どこか静かなところへ行こう) - anywhere:どこか
例:Did you go anywhere last weekend?(先週末どこか行った?) - nowhere:どこにも〜ない
例:There’s nowhere to park.(駐車できる場所がどこにもない)
「どこでも」「どこか」「どこにも〜ない」などを表します。
以下は不定代名詞の分類をのまとめです。
- 人:-one、-body(例:someone)
- 物:-thing(例:something)
- 場所:-where(例:somewhere)

接頭辞による不定代名詞の覚え方
不定代名詞は、単語の先頭につく「接頭辞」によっても意味が分かれます。この法則を覚えると意味が理解しやすくなります。
- every-:すべて
例:everyone, everything, everywhere - some-:いくつか
例:someone, something, somewhere - any-:何か
例:anyone, anything, anywhere - no-:〜ない
例:no one, nothing, nowhere
不定代名詞は、「every-、some-、any-、no-」などの接頭辞と、「-one、-body、-thing」などの接尾辞を組み合わせて形成されます。

不定代名詞の数(単数・複数)
不定代名詞は単数扱いのもの、複数扱いのもの、そして両方になるものがあります。
- 単数扱い:someone, everyone, nobody, anyone, each, either, neither, something
例:Everyone is happy.(みんな幸せだ) - 複数扱い:several, few, both, many, others
例:Many were invited.(多くが招待された) - 単数・複数両方:all, any, some, more, most, none
例:All is lost.(すべて失われた)
例:All are welcome.(誰でも歓迎します)
不定代名詞のほとんどは単数形で、特に「-one」「-body」「-thing」で終わるものは単数形です。一方で、「several」や「few」のように常に複数形の不定代名詞もあります。また、「all」「any」「some」「none」のように、文脈によって単数にも複数にもなるものもあります。
不定代名詞の役割(全体・部分・数量)
不定代名詞は、「どのくらいの量や範囲を指すか」によっても分類されます。
- 全体を表す:all, every, everything, everyone
例:Everyone is welcome.(誰でも歓迎します) - 部分を表す:some, someone, any, anyone, anything
例:Someone is at the door.(誰かがドアの前にいる) - 数量を表す:many, much, few, less, several, enough, some, any
例:Few understand.(理解する人はほとんどいない)
不定代名詞は具体的に述べることなく、全体、部分、量について言及することができます
不定代名詞の使い方やポイント
不定代名詞を使う際は、いくつかのポイントに注意しましょう。
不定代名詞は、特定しない人や物を指す代名詞です。多くは単数扱いですが、意味や文脈によって複数になることもあり、動詞の形に注意が必要です。また、肯定文・否定文・疑問文で使い分ける必要があります。
誰か・何かを漠然と指す
対象が特定されていない人や物を表すときに使います。
- Someone is waiting for you.
誰かが君を待っている。 - Something smells good.
何かいい匂いがする。
否定文・疑問文では「any-」使う
「anyone」「anything」などは、主に否定文や疑問文で使われます。
- Did you see anyone?
誰かを見た? - I didn’t eat anything.
私は何も食べなかった。
肯定文では「every-」「some-」を使う
肯定文では「everyone」「everything」「someone」「something」を使います。
- Everyone is here.
みんなここにいる。 - Someone left their bag.
誰かがカバンを置き忘れた。
所有格や複数形の扱い
不定代名詞の中には所有格が必要な場合、「someone’s」「anyone’s」などの形で表します。また、基本的に単数扱いですが、文脈によって複数の意味を持つこともあります。
- Someone’s phone is ringing.
誰かの電話が鳴っている。 - Everyone loves their family.
みんな自分の家族を愛している。
「nothing」「nobody」は二重否定にしない
「nothing」「nobody」などの否定語は、文中で二重否定にはしません。
- 誤)I didn’t see nobody.
- 正)I didn’t see anybody.
- 正)I saw nobody.
まとめ
この記事では、不定代名詞の意味や使い方について解説しました。
不定代名詞は、特定の人・物・場所を限定せずに「誰か」「何か」「どこか」を表す言葉です。語尾の「-one/-body」で人を、「-thing」で物を、「-where」で場所を区別できます。ほとんどは単数扱いですが、一部は常に複数形で使われ、文脈で単数・複数どちらも可能なものもあるため、動詞の形に注意が必要です。英語学習では、それぞれの用法と文法ルールを押さえましょう。