間接目的語(indirect object)とは、目的語の一種で、「誰に」「何に」など動作の受け手を表します。直接目的語とは異なり、動作を間接的に受けるのが特徴です。この記事では、間接目的語の意味や使い方をわかりやすく解説します。
基本品詞10
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間接目的語とは何か?
間接目的語(indirect object)とは、動詞の動作の「受け手」となる語句のことです。日本語の「誰に」「何に」にあたる言葉です。通常は直接目的語の前に置かれます。
たとえば、次の文を見てみましょう。
- I gave her a gift.
私は彼女にプレゼントをあげた。
この文では、「her」が間接目的語、「a gift」が直接目的語です。動詞「gave」という動作が「a gift」に直接向かい、そのプレゼントが「her」に届くイメージです。
- 誰が?→ I
- する?→ gave
- 何を? → a gift ←直接目的語
- 誰に?→ her ←間接目的語
このように考えると、それぞれの要素を理解しやすくなります。

直接目的語は「もの」、間接目的語は「人」であることが多いです。
目的語、直接目的語、間接目的語の違いを簡単にまとめると以下になります。
間接目的語の使い方と語順
間接目的語の使い方と語順には、主に2つのパターンがあります。
動詞 + 間接目的語 + 直接目的語
最も基本的な語順は「動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」です。このパターンでは、間接目的語を動詞の後ろ、つまり直接目的語の前に置きます。
- She sent me a letter.
彼女は私に手紙を送った。 - He gave his friend some advice.
彼は友人にアドバイスをした。 - He showed his parents the photos from his recent trip to Europe.
彼は両親に最近のヨーロッパ旅行の写真を見せた。
太字が間接目的語、下線が直接目的語です。

この語順では、間接目的語が直接目的語の前に置かれ、前置詞は使いません。
動詞 + 直接目的語 + 前置詞 (to/for) + 間接目的語
2つ目の語順は「動詞 + 直接目的語 + 前置詞 (to/for) + 間接目的語」です。このパターンでは、直接目的語を先に置き、間接目的語には前置詞の「to」や「for」をつけます。
- He gave the book to me.
彼はその本を私にくれた。 - She made dinner for her family.
彼女は家族のために夕食を作った。 - The teacher explained the grammar rules to the students carefully.
先生は生徒たちに文法のルールを丁寧に説明した。
太字が間接目的語、下線が直接目的語です。
この用法は文法的には前置詞句で、「前置詞+名詞句」の形をとりながら、間接目的語と同じ役割を果たします。前置詞の目的語(prepositional object)とも呼ばれます。

どちらの表現も意味は同じですが、スタイルやリズムによって使い分けられます。
どちらの形を使うべき?
多くの場合、どちらのパターンでも意味は通じますが、次の点に注意しましょう。
- 一部の動詞は必ず「to」や「for」が必要です。このような動詞は「前置詞付き動詞」と呼びます。
例:explain → explain the problem to her
例:suggest → suggest a plan to them - 語順を変えることで、強調したい部分やニュアンスが変わります。
例:I gave John a gift.(ジョンに贈り物をあげた)
例:I gave a gift to John.(贈り物をジョンにあげた) - 間接目的語が短い場合、「間接目的語 + 直接目的語」の形を使います。
例:He sent us an email.(彼は私たちにメールを送った) - 間接語目的語が長い場合、「to/for」の形を使います。
例:He sent an email to the new manager in the marketing department.(彼はマーケティング部の新しい部長にメールを送った)

間接目的語が長い場合は、文の前半に置くと分かりづらいため、文の後半に置くことが多いです。
間接目的語が使われる代表的な動詞
間接目的語をとることが多い動詞には、以下のようなものがあります。
- give(与える)
- send(送る)
- show(見せる)
- tell(話す)
- offer(提供する)
- teach(教える)
これらの動詞は、「誰に(間接目的語)」「何を(直接目的語)」という形で、目的語を2つとることができます。文法的には、このように目的語を2つとる動詞を二重他動詞(ditransitive verb)と呼びます。
まとめ
この記事では、間接目的語の意味と使い方について解説しました。
間接目的語は、「誰に」「何に」などの動作の受け手を示す語句です。直接目的語が動詞の動作を直接受けるのに対し、間接目的語はその動作が向かう相手です。文中では「動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」の順か、あるいは「動詞 + 直接目的語 + to/for + 間接目的語」の形で使います。この語順パターンを覚えておくと、英文を正しく組み立てる際に非常に役立ちます。