間接目的語(indirect object)とは?意味と使い方をわかりやすく解説

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間接目的語(indirect object)とは、目的語の一種で、「誰に」「何に」など動作の受け手を表します。直接目的語とは異なり、動作を間接的に受けるのが特徴です。この記事では、間接目的語の意味や使い方をわかりやすく解説します。

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間接目的語とは何か?

間接目的語(indirect object)とは、動詞の動作の「受け手」となる語句のことです。日本語の「誰に」「何に」にあたる言葉です。通常は直接目的語の前に置かれます。

たとえば、次の文を見てみましょう。

  • I gave her a gift.
    私は彼女にプレゼントをあげた。

この文では、「her」が間接目的語、「a gift」が直接目的語です。動詞「gave」という動作が「a gift」に直接向かい、そのプレゼントが「her」に届くイメージです。

  • 誰が?→ I
  • する?→ gave
  • 何を? → a gift ←直接目的語
  • 誰に?→ her ←間接目的語

このように考えると、それぞれの要素を理解しやすくなります。

ごがくねこ
ごがくねこ

直接目的語は「もの」、間接目的語は「人」であることが多いです。

目的語、直接目的語、間接目的語の違いを簡単にまとめると以下になります。

目的語の種類
  • 目的語(object)
    動詞の動作の対象となる語。名詞・代名詞・名詞句など。
  • 直接目的語(direct object)
    動作の直接の対象(何を?誰を?)
  • 間接目的語(indirect object)
    動作の受け手(誰に?何に?)

間接目的語の使い方と語順

間接目的語の使い方と語順には、主に2つのパターンがあります。

動詞 + 間接目的語 + 直接目的語

最も基本的な語順は「動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」です。このパターンでは、間接目的語を動詞の後ろ、つまり直接目的語の前に置きます。

  • She sent me a letter.
    彼女は私に手紙を送った。
  • He gave his friend some advice.
    彼は友人にアドバイスをした。
  • He showed his parents the photos from his recent trip to Europe.
    彼は両親に最近のヨーロッパ旅行の写真を見せた。

太字が間接目的語、下線が直接目的語です。

ごがくねこ
ごがくねこ

この語順では、間接目的語が直接目的語の前に置かれ、前置詞は使いません。

動詞 + 直接目的語 + 前置詞 (to/for) + 間接目的語

2つ目の語順は「動詞 + 直接目的語 + 前置詞 (to/for) + 間接目的語」です。このパターンでは、直接目的語を先に置き、間接目的語には前置詞の「to」や「for」をつけます。

  • He gave the book to me.
    彼はその本を私にくれた。
  • She made dinner for her family.
    彼女は家族のために夕食を作った。
  • The teacher explained the grammar rules to the students carefully.
    先生は生徒たちに文法のルールを丁寧に説明した。

太字が間接目的語、下線が直接目的語です。

この用法は文法的には前置詞句で、「前置詞+名詞句」の形をとりながら、間接目的語と同じ役割を果たします。前置詞の目的語(prepositional object)とも呼ばれます。

ごがくねこ
ごがくねこ

どちらの表現も意味は同じですが、スタイルやリズムによって使い分けられます。

どちらの形を使うべき?

多くの場合、どちらのパターンでも意味は通じますが、次の点に注意しましょう。

  • 一部の動詞は必ず「to」や「for」が必要です。このような動詞は「前置詞付き動詞」と呼びます。
    例:explain → explain the problem to her
    例:suggest → suggest a plan to them
  • 語順を変えることで、強調したい部分やニュアンスが変わります。
    例:I gave John a gift.(ジョンに贈り物をあげた)
    例:I gave a gift to John.(贈り物をジョンにあげた)
  • 間接目的語が短い場合、「間接目的語 + 直接目的語」の形を使います。
    例:He sent us an email.(彼は私たちにメールを送った)
  • 間接語目的語が長い場合、「to/for」の形を使います。
    例:He sent an email to the new manager in the marketing department.(彼はマーケティング部の新しい部長にメールを送った)
ごがくねこ
ごがくねこ

間接目的語が長い場合は、文の前半に置くと分かりづらいため、文の後半に置くことが多いです。

間接目的語が使われる代表的な動詞

間接目的語をとることが多い動詞には、以下のようなものがあります。

  • give(与える)
  • send(送る)
  • show(見せる)
  • tell(話す)
  • offer(提供する)
  • teach(教える)

これらの動詞は、「誰に(間接目的語)」「何を(直接目的語)」という形で、目的語を2つとることができます。文法的には、このように目的語を2つとる動詞を二重他動詞(ditransitive verb)と呼びます。

目的語を1つだけとる動詞は単一他動詞(monotransitive verb)と呼ばれます。また、「動詞+前置詞」の形で目的語をとるものは、前置詞付き動詞(prepositional verb)と呼ばれ、「talk to, listen to, depend on」などがあります。

まとめ

この記事では、間接目的語の意味と使い方について解説しました。

間接目的語は、「誰に」「何に」などの動作の受け手を示す語句です。直接目的語が動詞の動作を直接受けるのに対し、間接目的語はその動作が向かう相手です。文中では「動詞 + 間接目的語 + 直接目的語」の順か、あるいは「動詞 + 直接目的語 + to/for + 間接目的語」の形で使います。この語順パターンを覚えておくと、英文を正しく組み立てる際に非常に役立ちます。

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