質量名詞(mass noun)とは、個々に数えられず、まとまりとして扱われる名詞のことです。英語では不可算名詞(uncountable noun)とほぼ同じ意味で扱われ、数量を表すときには特別な表現を使います。この記事では、質量名詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
質量名詞とは何か?
質量名詞(mass noun)とは、数えることができない名詞のことです。はっきりと区別できる個々の部分がなく、一つのまとまりや物質として扱われるものを指します。
たとえば、以下のようなものが質量名詞にあたります。
- water(水)
- sand(砂)
- rice(米)
- furniture(家具)
- information(情報)
- advice(助言)
水や砂、空気、情報など、形がなく量的にしか捉えられないものが質量名詞(mass noun)です。数えられない名詞は「不可算名詞(uncountable noun)」とも呼ばれますが、英語学習では「質量名詞」と「不可算名詞」はほぼ同じ意味で使われます。

質量名詞の使い方や注意点とは?
質量名詞にはいくつかの特徴と注意点があります。

基本的に不可算名詞と同じで、「数えられないこと」に関するルールがあります。
不定冠詞「a」「an」をつけない
質量名詞は数えられないので、「a」や「an」などの不定冠詞をつけることができません。単独で使うか、「some」や「much」などの数量詞と一緒に使います。
- 誤)I need a water.(✖)
- 正)I need some water.(✔)

「a」や「an」は、「ひとつの~」という意味が含まれるので可算名詞にのみ使います。
量を表す単位を使う
質量名詞を数える場合は、「a piece of(1つの〜)」「a bottle of(1本の〜)」「a cup of(1杯の〜)」など、容器や単位を使って表現します。
- a glass of water
一杯の水 - two pieces of advice
2つの助言 - three bags of rice
3袋の米

数えられない質量名詞も、単位をつければ数えることができます。
動詞は単数で扱う
質量名詞は個別に数えられないため、複数形がなく、動詞も単数形になります。
- The information is useful.
その情報は役に立つ。 - Rice tastes good.
米はおいしい。

質量名詞の動詞は必ず単数形になるので注意しましょう。
質量名詞と不可算名詞の違い
英語教育では、質量名詞(mass noun)と不可算名詞(uncountable noun)は同じ概念を指すことがほとんどです。
どちらも「個々に数えられないもの」を表し、情報(information)や助言(advice)などの抽象名詞(abstract noun)から、水(water)や砂(sand)のような物質名詞(material noun)まで含まれます。これらの名詞には複数形がなく、量を示すときは「a cup of water(コップ一杯の水)」のように単位や代替表現を用います。
一部の文献では、質量名詞を具体的な物質に限定し、不可算名詞は抽象的な概念も含む広い分類として区別されることがあります。ただし、英語学習ではこの2つを同じものとして扱うことが一般的です。

質量名詞と可算名詞の違い
質量名詞(不可算名詞)と可算名詞(countable noun)の違いを簡単に説明します。
可算名詞は、数えられるものを表します。単数形と複数形があり、数えることができます。たとえば、「one cat(1匹の猫)」「two chairs(2脚の椅子)」などです。
質量名詞は、数えられないものを表します。複数形はなく、数えることはできません。たとえば、「water(水)」「information(情報)」などです。
特徴 | 可算名詞 | 質量名詞 |
---|---|---|
数えられるか | 数えられる | 数えられない |
単数・複数形 | 単数・複数がある | 単数のみ |
不定冠詞 | a, an | 使わない |
数量詞 | many, few, some | much, little, some |
例 | apple, cat, table | water, love, advice |
まとめると、可算名詞は個別に数えられるもの、質量名詞はまとめて扱うもので個別には数えないものです。

まとめ
この記事では、質量名詞の意味と使い方について紹介しました。
質量名詞とは、数えられない名詞のことです。常に単数扱いになるため、不定冠詞の「a」や「an」、また複数形は使いません。量を表したいときには、「a cup of」や「some」などの表現を使って具体的に示します。基本的には不可算名詞とほぼ同じ意味で使われるため、英語学習ではほぼ同義と考えて問題ありません。