目的語(object)とは、動詞の動作の対象になる言葉のことです。英語では、主語(subject)と動詞(verb)とともに、文の基本構造を作る重要な要素です。この記事では、目的語の意味や使い方について、わかりやすく解説します。
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目的語とは何か?
目的語(object)とは、動詞の動作の対象となる言葉です。日本語の「〜を」「〜に」にあたります。
たとえば、次の文を見てみましょう。
- I eat an apple.
私はリンゴを食べます。 - She knows the answer.
彼女はその答えを知っています。
この例では、「an apple」や「the answer」が目的語です。たとえば「eat」という動詞だけでは「何を食べるのか」がわかりませんが、「an apple」という目的語があることで、具体的な意味がはっきりしています。英語では、目的語は動詞の後に置かれるのがポイントです。
目的語の種類と使い方
英語の目的語には主に3つの種類があります。
- 直接目的語(direct object)
- 間接目的語(indirect object)
- 前置詞の目的語(prepositional object)
直接目的語(direct object)
直接目的語(direct object)は、動詞の動作を直接受ける対象を指します。「何を」「誰を」にあたる部分です。多くの場合、動詞の後に置かれます。
- I eat an apple.
(私はリンゴを食べる)
→「an apple」が直接目的語。 - I saw her.
(私は彼女を見た)
→ 「her」が直接目的語。 - He wrote a long letter to his friend.
(彼は友達に長い手紙を書いた)
→「a long letter」が直接目的語。
→「to his friend」は間接目的語の役割を持つ前置詞句。
「to his friend」は間接目的語の働きをする前置詞句です。前置詞句は「前置詞+名詞」のまとまりのことです。間接目的語については次で説明します。

直接目的語は、動詞の後の「何を」「誰を」に注目すると見つけやすいです。
間接目的語(indirect object)
間接目的語(indirect object)は、動詞の動作を間接的に受ける対象を指します。「誰に」「何に」にあたる部分です。多くの場合、直接目的語の前に置かれます。
- He gave me a gift.
(彼は私にプレゼントをくれた)
→「me」が間接目的語。
→「a gift」が直接目的語。 - She told her friend the story.
(彼女は友達にその話をした)
→「her friend」が間接目的語。
→「the story」が直接目的語。 - She sent a letter to her parents.
(彼女は両親に手紙を送った)
→「a letter」が直接目的語。
→「to her parents」は間接目的語の働きをする前置詞句。
間接目的語の「間接」は物理的な意味ではありません。たとえば、「He gave me a gift.」という文では、「a gift」が動詞「gave」の動作を直接受ける直接目的語です。「me」はその直接目的語の受け手なので、間接目的語になります。
また、「She sent a letter to her parents.」の文では、「to her parents」は間接目的語の働きをしますが、正確には前置詞句です。

直接目的語と間接目的語の位置関係に注目すると、構造が理解しやすくなります。
前置詞の目的語(prepositional object)
前置詞の後にくる名詞や代名詞は「前置詞の目的語(prepositional object)」と呼ばれます。前置詞句の意味を完成させる役割があります。
- She sat on the chair.
(彼女は椅子に座った)
→「on」が前置詞。
→「the chair」が前置詞の目的語。
→「on the chair」が前置詞句。 - We walked to the park.
(私たちは公園へ歩いた)
→「to」が前置詞。
→「the park」が前置詞の目的語。
→「to the park」が前置詞句。 - He talked about his plans.
(彼は彼の計画について話した)
→「about」が前置詞。
→「his plans」が前置詞の目的語。
→「about his plans」が前置詞句。

前置詞の目的語は、「どこで」「いつ」「~について」などの意味があり、前置詞とセットで使われます。
目的語の種類と意味をまとめました。
- 直接目的語(direct object)
動詞の動作を直接受ける語。
「何を」「誰を」にあたる。
通常、動詞の後に置かれる。 - 間接目的語(indirect object)
動詞の動作を間接的に受ける語。
「誰に」「何に」にあたる。
通常、直接目的語の前に置かれる。 - 前置詞の目的語(prepositional object)
前置詞の後に続く名詞や代名詞。
前置詞句の意味を完成させる。
目的語が必要な動詞と不要な動詞
英語の動詞には、目的語を必要とする「他動詞」と、目的語を取らない「自動詞」があります。
- 他動詞(transitive verb)
I play soccer.
(私はサッカーをする) - 自動詞(intransitive verb)
He sleeps well.
(彼はよく眠る)
必ずしもすべての動詞が目的語を必要とするわけではなく、自動詞には目的語が不要です。

よく使われる自動詞・他動詞は、以下の記事で紹介しています。


目的語の位置と注意点
英語の語順では、主語+動詞+目的語(SVO)が基本です。目的語を置く場所を間違えると意味が伝わらなくなるので注意が必要です。
- 〇:I like chocolate.(私はチョコレートが好き)
- ×:I chocolate like.(誤った語順)
また、間接目的語と直接目的語の順番にも注意しましょう。
- 〇:He gave me a book.
- ×:He gave a book me.(不自然)
上の例では、間接目的語(me)は直接目的語(a book)の前に置くのが正しい使い方です。直接目的語の後に間接目的語を置く場合は、必ず「to」などの前置詞が必要です。
- 〇:He gave a book to me.
- ×:He gave to me a book.(不自然)
こちらの例では、前置詞句(to me)は直接目的語(a book)の後に置くのが正しいです。間接目的語を前置詞句で表す場合は、通常「動詞+直接目的語+前置詞句(to〜)」の順になります
目的語を使った文の構造
目的語は文の構造に大きく関わります。よく使われる構文パターンを紹介します。
- SVO(主語 + 動詞 + 目的語)
例:I like sushi. - SVOO(主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語)
例:He told me a story. - SVOC(主語 + 動詞 + 目的語 + 補語)
例:We found him helpful.
これらの構文を理解することで、より複雑な英文も正しく組み立てられるようになります。
まとめ
この記事では、目的語の意味と使い方について解説しました。
目的語は、動詞の働きが向かう対象を示す重要な要素であり、大きく分けて「直接目的語」「間接目的語」「前置詞の目的語」の3種類があります。英語の文を正しく構築するためには、動詞と目的語の関係を理解し、正しい語順で使うことが大切です。英語学習を進めるうえで、目的語の役割を意識して文を組み立ててみてください。