今回のフレーズは「Set a thief to catch a thief」です。
「Set a thief to catch a thief」は、直訳すると「泥棒を捕まえるために泥棒を放つ」となりますが、実際には「泥棒に泥棒を捕まえさせる」という意味になります。日本語の「蛇の道は蛇(じゃのみちはへび)」に当たる表現です。
このフレーズは、同じ技術や知識を持つ人が問題解決に最適であることを示す際に使われます。特に、犯罪や不正行為の文脈で使われることが多いです。
例えば、セキュリティ対策で元ハッカーを雇う場合に、「The company decided to set a thief to catch a thief by hiring a former hacker to improve their cybersecurity.(その会社は元ハッカーを雇ってサイバーセキュリティを強化し、泥棒に泥棒を捕まえさせるという作戦を決めた)」と言うことができます。また、詐欺の手口を暴くために元詐欺師を利用する場合に、「The investigator set a thief to catch a thief by consulting a former con artist.(調査員は元詐欺師に相談することで問題を解決した)」と言うこともできます。
「Set a thief to catch a thief」の概念は古くからあり、紀元前3世紀にギリシャの詩人であるカリマコスが残した言葉「being a thief myself I recognized the tracks of a thief(私自身も泥棒であるため、泥棒の足跡を見抜いた) 」に由来すると考えられています。このことわざの背景にあるのは、犯罪者を捕まえるにはその手口をよく知る者が最適であるという考えです。まさに、日本語の「蛇の道は蛇」に当たる表現ですね。
まとめると、「Set a thief to catch a thief」は、文字通り「泥棒を捕まえるために泥棒を放つ」という意味ではなく、悪事や不正行為を暴くために、その分野の経験者を使うことを指します。このフレーズを使うことで、特定の問題に対処するための最適な方法を表現することができます。
この「Set a thief to catch a thief」を使って、特定の問題を経験者の助けを借りて解決する場面で活用してみてください。
実際の発音もチェックしてみてください
泥棒を捕まえるために泥棒を放つ。蛇の道は蛇。
このシリーズでは、さまざまなことわざ・格言・慣用句・イディオムなどを紹介して解説しています。